最強から嫌いって言われた。【五条悟】

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ある秋の日。


この高専を辺り一面紅葉が占めるような日。







私は夏油くんに尋ねた。







『ねえ、夏油くん。

なんで坊ちゃんは私の事あんなに嫌うわけ？』









思い返せば入学した時から、ずっと、今まで。



嫌いだと言われ続け、それに私も嫌いだと言い、

お互い口喧嘩して終わるだけの関係。









夏｢…さあ、私も聞いたことがないな。｣



『そっか。』









何故夏油くんに尋ねたかと言うと、

術式の副作用について話した時から

皆と比べて少しだけ距離が縮まったような気がしてたから。









『…私は、皆と仲良くしてどこかに出かけたりしたいな。』






夏｢ハハ、Aらしい考えだ。｣









2人で笑いながら寮まで歩く。









私、坊ちゃんと仲良くなりたい。









嫌いって言われるから今まで嫌いだって決めつけてきたけど、私はたぶん高専の人の中で一番坊ちゃんのことを知らない。









知らないのに誰よりも嫌いって言ってる。









もうちょっと向き合ってみたい。









『まぁ、あっちが話してくれないと無理なんですけどねん笑』









なんて独り言を呟きながら、自分の部屋に入った。

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