い ページ9
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____日誌ってなんでこんな時間かかるんや。
帰る時間、部活動生と変わらん
『…もう薄暗いなあ。』
走って帰ろうか、と考えてると。
後ろから、手を引っ張られる
侑「…待ってや。」
『…あ、あつむ!?』
何で…いつも自主練して帰るのは
9時半くらいになるはずなのに。
侑「俺、やっぱどうしてもAのこと諦めきれへん。やり直せへん?Aが嫌なとこ全部直すから。な?」
『…あつむは優しすぎるんや。』
ついポロッと出てしまった言葉。
はっとなって口をつぐむ。
侑「……ひとつだけ…。
俺の事、きらいか?」
侑が今まで見た事ないような
真剣で、緊迫した顔で聞くから。
そんな震えた声で聞くから。
『_______嫌いじゃない』
嗚呼、好きって伝えたい。
前みたいに侑の隣を堂々と歩きたい。
またその胸に、飛び込みたいねん。
私は、あつむの顔を見れずに
離された手を
爪痕が残るくらい
強く握りしめて
走って帰った。
胸の痛みを紛らわすかのように。
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作者名:楓華 | 作成日時:2020年5月15日 1時