だから、すき 【短編集】

ゆるさないよ　＃７　request ページ9

「ねえ、遥輝」




「ん？」




「…私のチョコレート、なんでそこにあるの？」

「名前も書いてたのに、なんで食べてるん？」






ソファーに寝っ転がってる俺の目の前に来るように

カーペットに座るA。









「だってA食べてへんかったからもったいないなーと」




「嘘だ、うそ」



「そんな怒らんでも」



「…」




「ごーめんて、ごめん」




「誠意がつたわってこないです。」





「はあ、笑」








そんな怒らんでも買ってくるて、って言ったら








「そーゆーことじゃないのー！」



「えええ、」



「もういい、」









拗ねて、

俺の洋服にぐりぐりと顔を押し付けてくる。









「A、」


「あと残りいっこあるけど食べる？」




「…うん。」






「……こっちむいてみ、」









最後の一個を口に含んで、




溶けないうちに

彼女の顎を軽く上に上げて、



溶けかかったチョコレートを渡す。









「ん…！！」




「おいしいやろ？」





「……はるき、…そんなんでゆるさんし、」





「あらぁ、そう？笑 もっかいしとく？」









もう一回、

「もういい！」

と言いながら、




真っ赤な耳のAが飛びついてきた。








(結局はかっこいいしずるいし、おいしい。)









えまさん、リクエスト・コメントありがとうございました！

甘かったですかね…？

(ちゃんと翌日、西川さんはちゃっかり彼女ちゃんに食べてしまったチョコレートを買ってきてくれます。)

またお話を覗きにきてもらえたらうれしいです！！









チョコレートはカカオ70％が好みだったりします(どーでもいい)









kanonでした。

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