大事なパワー ＃９ ページ5
「え！もうハイライトの時間！？」
もう夜になってたなんて、それにびっくり。
仕事の合間にパソコンからテレビに目線をずらすと
画面の中で、走る彼が目に入る。
そりゃ当たり前だ。
野球選手だし、アスリートだし、
沢山の観客から名前を呼ばれて
沢山のプレーをする。
当たり前だ、そんなの、
私が今見ているのは、野球選手中島卓也だから。
ふと、頭をよぎる。
彼のことを考えたときに
「(この人が、ここに帰ってくるんだよな…)」
ひとりぼっちの部屋を見渡してみても、
二人がけのソファーに、ひとりで座ってる私しかいない。
別に、軽い気持ちでこういう関係性になったわけじゃない
ちゃんと支えたい。
そう思うから、強く思うからこそ、
たまに不安に駆られる。
頑張っている彼が、
人一倍努力家な彼が、
それでも
私を忘れずにしっかり離さないでくれる彼が、
いちばん近くで見てきているからこそ、
焦りにも似た気持ちが湧いてくる。
比べてしまう悪い癖と
それを加速させてしまう思考方向が、
少し歪んだ視界を作る。
nakashima電話よか?
既読をつけると、
間もなく掛かってきた電話。
「もし、もしっ、」
「なんうわずっとると笑」
「なんも、ないっ、」
「え、泣いとる！？」
どうしたどうした、とスマホ越しから聞こえてくる声は、
間違いなく、卓の声。
「あのね、っ、」
「卓の、プレー見て、
あの、っ、」
「うん、ゆっくりでいいと、最後まで話して。」
「…わたし、駄目だなって思っとったっ、
ここに、卓が帰って来ることが、
不安、なった、っ、」
「うん、」
「でもっ、でも、
野球頑張ってる卓も、
野球やって、それでも、私を忘れんでいてくれる卓も、
ぜんぶしってるから、」
全部知ってるから、
全部好きだから、
全部が苦しくなる。
「…お前は、もう、笑」
「A？」
優しい声で、
大好きな声が
耳に届く。
「…好いとうよ、大好き。
そげん不安にならんでよか、
家に帰って、Aをいちばんに見るのが
なんよりも大事なパワーやけん。
心配せんで、お留守番いい子にしとって。」
「わかった？」
「うんっ、！」
「あー、また泣く、笑」
(野球をしてない彼は、私にとって、)
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kanon136(プロフ) - えまさん» コメントありがとうございます！！えまさんの思い書くお話になってたでしょうか…。楽しんでいただけたら幸いです！西川さんの俊足期待しましょう！！ (2018年4月14日 21時) (
レス) id: af8cb7d239 (このIDを非表示/違反報告)
えま - 西川選手の甘めな話リクできますか？ (2018年4月11日 11時) (レス) id: 39d8e29ea6 (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい (2018年3月13日 7時) (レス) id: cf017d99cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kanon136 | 作成日時：2018年3月13日 0時
