検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:5,859 hit

5. ページ5

……寒い……





濡れたワイシャツが冷えてきた。

透けてうっすらと肌色が見える。



早く止まないかなあ、って思いながら

ずっと雨を見つめて、何分たった頃だろうか。



少し雨が弱まってきて、

そろそろ夕立も去るだろうと思った私の視線は

自然と雨の降っている正面から横へと移った。





するとさっきまでそっぽを向いていた柊生が

不機嫌そうなのは変わらないけど

じっとこちらを見ている。








告白現場を覗いたのも

柊生の恋愛事情に口を出したのも悪いと思ってる

けど、長年の付き合いの友達と喧嘩したときに

謝るってのは、普通のクラスメートとかより

プライドが邪魔しちゃったりする。







今思えば、どうせそのうちまた

何も無かったかのように普通に話せて、

馬鹿みたいにくだらないことで笑い合えるって、




幼なじみっていう関係に

甘えすぎていたのかもしれない。





とにかくその時は

なかなかごめんの一言が言えなくて、

そのまま目線をそらしてしまった。









その時だった。







「…なんか言えよな」








柊生が苛立ちと戸惑いが入り交じったような

言い方でつぶやいた瞬間、

私の視界は真っ暗になった。









何が起こったかわからない状況で最初に思ったのは






あ、柊生の匂いだってこと









キスされてた。









笑ってるわけでも怒ってるわけでもない

今まで見たことない表情を浮かべている柊生に、

状況を把握出来てきた私は気づいたら





「……最っ低」





ってこぼしていた。



私の知らない柊生を受け止められなかった。

私の知ってる柊生はたしかに女の子にも

優しいけど、こんなすぐに手出したりしない。



こんな柊生、知りたくなかった。








「私もう行くから」





だいぶ小雨になった屋根の外へ駆け出していった時





「まって」





って聞こえてきたけど聞こえないフリをした。

6.→←4.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.8/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
51人がお気に入り
設定タグ:橘柊生 , DISH// , 北村匠海   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

r__(プロフ) - コメント失礼します!とてもおもしろい作品です!続きがすんごい気になるので更新お待ちしております! (2022年5月23日 20時) (レス) @page8 id: 97855342f2 (このIDを非表示/違反報告)
じゃこてん//(プロフ) - かえでさん» わざわざコメントほんとうにありがとうございます。泣 励みになります。これからまたゆっくり更新していこうと思っています!これからもお付き合いいただけたら嬉しいです! (2019年1月26日 23時) (レス) id: 913f1b9fc9 (このIDを非表示/違反報告)
じゃこてん//(プロフ) - まひろ//さん» ありがとうございます…最近忙しくて停滞気味でしたが、とても励みになりました。泣 これからまたゆっくり更新していきますので、よければお付き合いください! (2019年1月26日 23時) (レス) id: 913f1b9fc9 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - 更新待ってます! (2019年1月7日 15時) (レス) id: 0388812561 (このIDを非表示/違反報告)
まひろ//(プロフ) - 最高です!更新楽しみにしてます! (2018年12月27日 20時) (レス) id: 14dc00949d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:✩ | 作成日時:2018年10月20日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。