雪の中に咲く一輪華 (ページ47)

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ソロ曲　約束ページ47

局の中であった件はしげに自分で言うと言ってしまった手前、どうにかして伝えようと辰哉と照に言うと彼らは相手に対してひどく怒っていたが、私が伝えたことをほめてくれた。

「Aが伝えてくれて嬉しかったよ」

「Aからは言いにくいことも、伝えてくれたから俺らも対応できる。
よくがんばったな」

「しげに今度お礼言わないとな」

きっと、心の中で怒ってくれているのに、私がそれを望まないと知ってくれているから、抑えてくれているのだとわかる。

『……負けないくらい、もっと強くなりたいって思った』

「Aはもう十分強いよ。ここからは俺と照の仕事」

万人に認めてもらわなくてもいいとか思っていても、心のどこかでやっぱり嫌われることは怖くて、今回それが自覚できた。
それでも、この事務所でたった一人の女ということは覆ることではないから、私は私なりに強くなると決めたのに、二人は交互に私の頭を撫でた。

「一人で強くならなくていい。それはデビューしても変わらねぇよ。」

「Aは俺らの大切な女の子だし、仲間だ。
お前にとって俺らが守りたい宝物って言ってくれるように、俺らにとってもAは大切な失くしたくない宝物なんだよ」

ぐっと、泣きそうになるものを堪えるように目に力を籠める。
彼らが笑ってくれる未来が手に入るのなら、私はきっと自分を犠牲に差し出せる。

でも……それを望んでくれる人たちではないって嫌と言うほど知っているから……

『……助けて、ください』

「「まかせろ」」

小さく零れた弱音を拾い上げてくれる人と出会ったから。
背中を押してくれたしげと、ずっと前で待ってくれていたメンバーが居たから、私は私で居られるんだと書きたい音楽が見つかった気がした。