るろうに剣心 ページ40
長年愛されてきたるろうに剣心の最終章にもありがたいことに声を掛けてもらえた。
二つ返事で承諾をしてもらって、久しぶりに佐藤健さんと共演させていただくことになった。
「ゆきちゃん、今回もよろしくね」
『健さん!こちらこそ、よろしくお願いします』
ゆきちゃんという独特な呼ばれ方はこの作品に関わるようになってから彼に付けられたあだ名だった。
忍役として、アクションにも抵抗が少ない私はこの作品でもよく落ちたり怪我を仕掛けるような動きもこなしてきた。
この作品において、巻町操は雪村Aしか居ないと言わせられるようなアクションをこなしてきたつもりだ。
「俺のアクションとか見て変だって思ったらすぐに言うこと」
『承知してます。自分もずっと…歌舞伎で見て来た動きもあるので』
「頼りにしてるよ」
この時期、SnowManは滝沢歌舞伎に全力を注ぐ。
私は性別の壁もあり、滝沢歌舞伎には関係することをせず、この時期は個人での仕事がメインになっていた。
稽古には顔を出して、演出にもかかわった経験は無駄ではなかったのだと、今年漸く理解した。
健さんの特訓を見ながら、私は自分のアクションが以前よりもレベルが挙げられていることに気が付いた。
「雪村さんなら、できると思った」
監督からのこの言葉に答えないわけにはいかないと、高所からのバク宙からの落下攻撃を出せるように台宙を何度も練習する。
あちこちに怪我を作る私にやめるかと声を掛けようとするスタッフにできると答えた。
『……私が、アクロバットを覚えたのは、きっとこういう役を全うする為。
あいつらに……メンバーに負けたくないんです』
どうしてここまでするのかと言われたら、ただの負けず嫌いのプライドだと答えるしかない。
驚いたようなカメラマンさんに私は小さく笑った。
「ユキちゃんは根っからの負けず嫌いだよ」
『健さんが言いますか………』
休憩に入った健さんにそう言われても彼だって根っからの負けず嫌い…呆れてしまう。
お互いの呼び方やきっかけも軽く話して、やめない理由を再度聞かれた。
『……私、SnowManっていうアイドルグループの中では一番芸能歴もありますし、ジャニーズに入ったのも一番早いんですよ』
「年齢が若いから他のメンバーが最長って思われがちなんだよね」
『…はい。でも…やっぱり一番先輩ってことに変わりはないから………
私が、あいつらに負けるわけにはいかないでしょ』
159人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:重岡優月 | 作成日時:2022年8月4日 18時