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「Aさんの作る曲ってAさんの歌だって俺は思う。
SnowManに作る曲も、ハイハイにあげてた曲も全部」
『……うん』
「曲調が俺らとは正反対なのに、大丈夫なのか不安がある」
ジェシー君の言葉に高地君や京本君がおい、と止めようとしたのを私が阻止した。
続けて、と目で訴えれば彼はほっとした様に私を見た。
「作曲家としてのAさんを俺はスノ兄さん経由でしか知らない。
Aさんも俺らのことあまりわからないよね」
『そうだね……。少なくとも私は異端的存在だったから、あなたたちと直接話すことはなかった。
辰哉たち経由でしか私も、あなたたちを知らないのは事実』
「…それは俺たちも悪かったと思ってる。
だから、そんな関係なのに本当に北斗の、Aさんの代表的な曲を任せていいのかって思ってるよ」
ジェシー君の言葉に私はふう…と息を吐いてからファイルをテーブルの上に広げた。
それは今まで幾度と名義を変更してジャニーズのグループや個人に提供した曲のリストだ。
『…嵐さんや関ジャニ∞の皆さんだけだったらジェシー君の言葉にも否定はしない。
ただ………いくら何でも作曲家をなめすぎて腹が立つからこれは証拠として持ってきた。』
売られた喧嘩をいちいち買うのはめんどくさいから、いつもならとくに気にしなかったが、今回は監督が本当に自分たちを買ってくれていると分かっているから、意地になった。
嵐さん方をはじめ、そこには一度も交流が無かったヘイセイジャンプさんやニュースさん、そのほかにも事務所外に提供した楽曲が並んでいた。
『公表しなくていいって、後からジャニーさんに報告したリスト。
ジャニーさんも作曲にのめりこむ私に止めなかったから最近までのは全部データで滝沢君が管理してる。』
『作曲家としてあなたたちの曲を作れと言われたなら、私にだって作曲家としてのプライドがある。
･･･…あなたたちに咲けられていたから、という理由だけで駄作を提供するほど、プライドのない仕事はしない』
なめるな、と彼らに対して強い言葉を初めて使った。
ＷＥＳＴに提供をしていないのも、すべては私の実力で選んでもらうためだ。
「……ごめん。心無いこと言った」
『…別に。慣れてるからそこはどうでもいい。』
ジェシー君の謝罪に居心地が悪くなった。
私は立ち上がって、本当に私が作曲していいのか決めてから連絡をするように伝えて、ファイルを残して彼らの楽屋を出て行った。
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作者名：重岡優月 | 作成日時：2022年8月4日 18時
