雪の中に咲く一輪華 (ページ25)

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北斗と初の共演で、主演でやるってことには確かにプレッシャーも大きかったが、それ以上にストーンズに楽曲提供するということの方が衝撃的だった。

「無茶をお願いしているのは承知だけど、今回主演の片方をやった雪村さんだから書けるなにかがあるんじゃないかと思うんです。」

『……急すぎて……間に合わせられる自信の方がないですし、ストーンズそれを了承するとは思えないんですが』

「ストーンズの方たちには了承をもらってます。
次のシングルのA面を任せたいと」

なんでだ。と思いながらも監督さんやプロデューサーの必死の表情に文句を言えるような状態じゃないと私は小さくため息を零した。

『100％書けますとは無責任な言動となるので言えませんが、それでもよろしいと仰って下さるのなら、この件承ります』

「急なお願いなので、承知の上です。お願いします」

『わかりました。すみませんが、松村とも話し合いたいので……すぐに制作には取り掛かります』

了承を得てから、私は今日の撮影は済んでいるため、事務所に戻る。

事務所に戻ってから楽屋に一度寄って荷物を置いてから、置いておいたファイルを持ってストーンズの楽屋へと向かう。

『雪村だけど、入っても大丈夫？』

「大丈夫っす。お疲れ様です！」

開けてくれたのは田中君だった。
お疲れ様ですと伝えてから、中に入ると北斗が他の人たちにもシングルのことを話してくれていたのだと気が付いた。

「わざわざ来てくれてありがとね。お茶で大丈夫？」

『気を遣わせてごめんね。ありがとう』

ジェシー君にお茶をもらってから案内された椅子に座らせてもらった。
正面には北斗が座り、その隣には京本君が座っていた。

『単刀直入に言うけど、本当に私が作曲した曲を歌いたいって思ってくれますか？』

監督たちがどれだけ推してくれていたとしても私にも、作曲家としてのプライドがあった。
正面にいる北斗だけではなくて彼ら全員の目を見る。

「俺は昔からAの曲歌いたいって言ったでしょ。SnowManになっても変わらない」

「俺も慎太郎に同意。」

「俺も」

慎太郎と北斗、京本君が頷いたのを見てから、田中君と高地くんを見る。
彼らは少しだけ悩む素振りを見せてから同意した。

「…俺は少し反対だったんだけどね。」

『理由を聞いても？』

ジェシーくんの素直な言葉に彼をまっすぐと見つめた。