蒼色マーブル 【桃】

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まあ、高校まで行くと同じ小学校だったってだけで、そこまで仲良くなかった人でもなぜか少しトクベツな存在に感じたりするし。

そういう人が話に出て来れば『あー、私同じ小学校だった』とか言っちゃうアレ。

それの、ワンランク上バージョンみたいな。自分を客観的に見て、その程度。


朝だって、火曜日と金曜日はサッカー部は朝練があるから違う電車だし、朝練がない日だって、会えば一緒に来るだけ。


私は毎日だいたい同じ電車に乗って、のんちゃんは月、水、木にその電車に乗る。


でも、乗り遅れたり逆に早いのに乗れることだったしょっちゅう。

いや、私の場合は、早く来れたらこっそり一本見送ってのんちゃんが来る時間を待ったりしてるけど。


でも待ち合わせなんてしてないし、まあ実際学校くらい一人で行けるし。


それに違う電車だった日、のんちゃんが来る途中に会ったんだろう女の子と登校してくるところなんて何十回も見てる。


駅が一緒だから一番早く会うことが多いだけで、私だけが特別なわけじゃない。


それなのに。

家が近い人の集まりの、私達みたいな所謂幼馴染の関係の人達は山ほどいた小中学校と違って、高校に入った途端『幼馴染』は特別な響きを持ち出すらしい。

そのせいで入学したての頃は色々と、それはもう色々と聞かれた。


でも実際はと言えば、同じ高校なのは合わせたわけではなく、そこそこの進学校、最寄り駅からたったの三駅、とまあ被って当たり前の第一志望だっただけで。

二人とも頑張れば入れるって感じだったから、落ちる可能性だってあった。


そんな同じ説明を何回したかわからない。



だって彼はいかんせんモテる。


小学校は足が速かったからモテた。中学校はノリも良くて顔もかっこよくなってったからモテた。高校はもう完成しきった状態で入学したからモテる(現在進行形)。


一番距離が近かった小学校時代は周りがキャーキャー言うから私は好きになっちゃいけないみたいな。

恋だの愛だのがよくわからないうちに『なんにもないでー』って言っちゃったからずっとそれを有言実行、みたいな。そういう感じで。

普通に他の人を好きになったりしてた。


だから、中学時代。

もう、他の子達と関わり方は大して変わらなくなった頃にコイゴコロに気づいてしまったわけで。


結局、特に有利な関係ではないままに恋をし続けて、そろそろ三年が経つ。

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