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「何かやりたいのある人ー」
文化祭委員が前に立って問いかける。
文化祭は10月のこととはいえ、準備は夏休みから始まる。
そろそろ色々決めないと、ということで金曜の6限のLHRが費やされる。
劇だのお化け屋敷だのの文字で埋まっていく黒板。
「多数決とりまーす」
ばらばらと手が挙がって、結局喫茶店に決まった。
「じゃあ詳しいのはまた今度で。今日は終わりです」
教室の端で生徒と話してた濱ちゃんが前に出て「さよならー」と言うと教室中がガタガタという音を立てる。
「A、私今日バイトやから先帰るな」
自転車通学のユウちゃんは、何もない日は駅までは自転車を押して一緒に帰るけど、用事があるときは別々に帰る。
ユウちゃんに手を振って、私は英語の授業中にやらされたプリントをまだ出してなかったのを思い出して、階段を上がり英語科に向かう。
「失礼しまーす」
ガラガラとドアを開けて中に入ると、みんな教務室にいるのか、奥のコピー機の前に中間先生がいるだけだった。
「先生、これ」
「あー、はいはい」
コピーしたものを持って机に戻ってくる先生。
「お前のクラス文化祭何やるん?」
私のプリントを受け取りながら世間話を振ってくる。
「とりあえず喫茶店ってなりました」
「ええな」
きっと何言っても『ええな』って返したやろうな。
「Bは何やるんですか?」
中間先生はB組の担任。もはや先生すら羨ましいなんて思う。
「お化け屋敷って言うてたけど」
「へぇ」
「男前なお化けになるんちゃう?小瀧とか」
「え、あ、あぁ、そうですね」
座ってる先生が私をチラッと見て含み笑いをする。
「…えっ、なんですか?」
「いや?英語も好きになって欲しいなーって」
「えっ、ちょ、え?」
ハハッと先生が笑う。
「お前な、俺の授業放置しすぎやから」
わざとらしく口角を上げる先生。
「……悪魔の微笑み……」
「やかましいわ」
「生徒いじめるの趣味悪いです」
「いじめてないやん、むしろ前で一生懸命喋ってんのに聞いてもらえへん俺可哀想」
「……すみません」
「素直でよろしい」
「先生は結婚とかのご予定はあるんですか?」
話をそらすように聞いてみる。
「え?もうやかましいわほんま」
「あれ?」
「なんやねん」
「いつもの悪魔臭が少し減りましたよ」
「うるさいな」
少し動揺した様子の先生は、新鮮で面白い。
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花音(プロフ) - ルリさん» 原因がやっとわかり、気づいたところは直させていただきました!ところどころまだ直っていないところもあるかもしれませんが、読めるものにはなったと思います。ご迷惑おかけして申し訳ありませんでしたm(__)m (2017年3月2日 12時) (レス) id: a2ab04aa9f (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - 文字化けが多く、ちゃんと読めません。 (2016年11月3日 18時) (レス) id: bcbf5ed211 (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - @neさん» ありがとうございます♪わたしも書いてて重岡くん!ってなってます(笑)これからも楽しんでいただけるように頑張ります! (2016年6月13日 23時) (レス) id: f47d949a46 (このIDを非表示/違反報告)
@ne(プロフ) - いつも楽しく読んでます!しげ優しすぎてキュンキュンしてます(笑)これからも更新頑張ってください! (2016年6月13日 21時) (レス) id: b9c4aa2937 (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - # : h i r a r a .さん» 教えていただいてありがとうございます!直しておきました、たぶん大丈夫なはず、です!ゆっくりで申し訳ないですが、これからも読んでいただけたら嬉しいです(*´∀`) (2016年6月13日 7時) (レス) id: f47d949a46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花音 | 作成日時:2016年5月28日 13時