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「今日はごめんね！付き添ってくれて有り難う…花子にも謝っておいてね」
「大丈夫だよ」
瑞季の家まで送った僕はもう既に薄暗くなった空の下帰路に着いた
自宅に近付くにつれて気分が重くなる
『…いかないで』
そう懇願した花子の顔は置いていかれる恐怖に歪んでいた
まるで母を探す迷子の子供のようだった、と冷静になった今は思う
…花子が我が儘言うのも僕を引き留めるのも初めてだな
その手を振り払った感触と驚きに満ちた顔が今になって思い出され罪悪感に頭を掻いた
引っ掛かっていることがある
瑞季の状態を僕に伝えた花子は、まるで僕が瑞季を優先すると分かっていたような口振りだった
僕が瑞季を好きなことを知っていた？
…まさか
ならば結婚までするのはおかしい
「あー、くそ」
面倒くせ、と内心毒づいた
「あ、お帰りなさい」
「え、う…ん？」
帰ってまず表抜け
ドアからは明かりが漏れていたので家にいることは分かっていた
余り想像はできないが…開けた瞬間の罵倒も覚悟していた
それがどうだ
ザ・いつも通り
いつも通りのおかえりなさいのトーン
「(………あれ？)」
恐らく僕の周りには大量の疑問符が浮かんでいることだろう
玄関で靴を脱ぎ進むと、テーブルの上には夕食が用意されていた
「お昼遅かったから軽いものにしたんだけど…良かった？」
「…うん」
「スープは今から暖めるけど、先にお風呂はいる？一応沸かしてはいるけど…」
小さく小首を傾げて言う姿もいつも通りだ
だがなにか違う
分かるようで分からない
小さな違和感は胸の奥でムズムズとシコリになる
先に入浴を済ますことになり湯船に浸かる
「は〜」と息を吐きながら今日一日を振り返る
…台無しにしちゃったな
折角花子の誕生日だというのに…まだプレゼントも渡さず仕舞いだ
落ち着いたら今日中に渡そう
あと今日もう一つ追加で買った物もある
最近の花子はどこかおかしい
思い詰めてると言うかなんというか…
元々表情豊かではないので分かりにくくはあるが、どこか笑顔もぎこちない
しかし、今日一緒に居られると言った時の笑顔といったら…これをギャップ萌えというんだろうか
多分、というより確実に花子は僕のことを愛してくれている
だからこそ利用した
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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます！！是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (
レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます！！続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます！ (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります！パスワードを教えて頂きたいです！ (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました！ パスワードを教えていただけないでしょうか？ (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かのん | 作成日時：2021年2月26日 0時
