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ページ44

「……ん?」


「……え?」


引きつった顔の僕とキョトン顔の花子の間に落ちる沈黙

…幻聴だった?




いや、そんな訳ないでしょ



現実逃避しそうな考えを脳内でぶん殴る





「か、かか…翔くん?」

どもった!

しかし今はそれ所ではない
優先すべきは花子からの返答である

花子の言葉を一言一句逃さないように向かい合った状態になり、その柔らかそうな唇から目を離さない



「うん、翔くん。仕事の先輩の」

「男?!!!」

「そうだけど?」


軽!!!

何の悪びれもなく小首を傾げて不思議そうにする花子

勤め先の周辺環境については予め伊地知に下調べをさせていた
喫茶店のマスターの子供が殆どの商いを任されているということも勿論事前に知っている
だが、僕は確かに見たのだ

書面では「息子」ではなく「娘」と記載されていた筈

特に注意して確認したため確実だ




「………(伊地知…)」



肝心なとこミスしやがって…


沸き上がる殺気を花子に感付かれる訳にはいかず、取り敢えず妄想の中で伊地知をぶん殴りまくることで無理矢理押し込めた

後日現実でも同様にフルボッコにする気満々である



「…どうしたの?何か悩み事?」


悲しきかな、僕が本当に心の底から自分を好きだなんか欠片も思っていない花子は僕の動揺する胸の内なんてどこ吹く風


あー


あー、あー



クソッたれ



「なんでもないよー!」


過去の自分に毒づきながらも花子に取り繕った笑顔を向けると、僅かに花子が目を見開いて考えるように視線をさ迷わせた


「…きて、悟」


すっ、と僕の手を取った花子はそのまま自分の寝室に向かい僕を自分のベッドに横になるように促す

夜のお誘い?!


まさかのご褒美タイムにドクドクと高鳴る鼓動


緊張のせいか、まるで青臭い童貞宜しく辿々しい動作で促されるままにベッドに横になる


花子はというと、横になった僕を確認すると「ちょっと待っててね」と一言残し退室した

…ん?と疑問を抱きながらも扉の向こうで何やらゴソゴソとしている花子を待つ


ものの数分で戻ってきた花子
その手には湯気が昇るタオルが握られていた

花子は僕の頭もと付近の床に膝をつきながら優しい手付きで僕の前髪をかき上げた


「悟…目、瞑っててね」


何となくこれからされる行為を察した僕は、下世話な想像をした自分を直隠しにしながら素直に目を閉じる



…ああ、残念感が否めない


だって男の子だから

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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます!!是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます!!続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます! (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります!パスワードを教えて頂きたいです! (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました! パスワードを教えていただけないでしょうか? (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かのん | 作成日時:2021年2月26日 0時

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