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……まあ、もう要らないからいいけど


思ってはいても口に出す程命知らずではなかった




どういう訳か悟は怒っているようだ
それもかなり

悟から漏れ出た呪力は渦巻く様に立ち込める

これが築年数がそこそこある古びたアパートならば幾つかひび割れてるんじゃないかと冷静に思った


何が逆鱗に触れたのだろう…勝手に避妊したこと?

だけど悟が私との子供を望んでいたとは思えない
子供なんて作ればいよいよ逃げられなくなるだろうに


…それとも勝手に離婚をしておきながら少しの間居候させて貰うこと?



ーーどれだけ考えてもこれといった答は浮かんでこなかった




「!!」

ダンッ!!!!



あ、と思ったときにはもう遅く


一瞬ふわりと浮いた身体は冷たい床に叩き付けられていた

全身を鈍い痛みが襲う


「…っ、…ぃ、たっ」


痛みを堪えるためにぎゅっと瞑っていた生理的な涙の浮かんだ瞳を開けると、視界一杯に悟の顔があり四つん這いで覆い被されていることを知る


「どうしたの…、悟」

「どうしたの?」


私の言葉を反芻する悟の顔は怒りに染まっていた

いつの間にか外された目隠しの下にあった瞳が細められ怪しげな光を宿していた




「いいよ、子供をつくろう」


「……」



なに


何を言ってるの




あまりに理解に苦しむ言葉に何も返せずにいると、悟の手が私の頬をスルリと撫でた

外にいたからか悟の手は冷たくビクリと身体が強張る

そのまま首、鎖骨を撫でるように通りブラウスの中まで暴こうとした所で漸く我に返って両手で悟の手を掴んだ




「やめて」



自分で思うより低くて冷たい声が出た

しかし悟からしたら私の怒りの声など塵にも同じなのだろう、嘲笑うかのように悟の口が弧を描いた



「今さら拒否する意味あんの?…かまととぶってんじゃねえよ」


怒気を隠そうともしない悟

だけど今は恐怖より…ただただ、嫌悪した



「私達はもうなんの関係もないわ…こういった行為をする必要はない」

「必要…ねえ」

「子供をつくることで貴方を縛るつもりはない」

「縛る…?なに言ってる」



「悟も…そのつもりだったでしょう?」




私達は愛し合うなんて言葉が無縁の関係だった




「姉の幸せな姿を見届けたら終わりにするつもりだったでしょう?」



想像したこともあった

悟が姉に向けるような優しい笑顔を私に向けてくれる明日
それを当たり前のように幸せに感じることの出来る明日



でも、それはただの夢で

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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます!!是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます!!続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます! (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります!パスワードを教えて頂きたいです! (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました! パスワードを教えていただけないでしょうか? (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かのん | 作成日時:2021年2月26日 0時

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