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どれくらいの時間が経っただろう
まだ悟は顔を上げてくれない


「…本当にどうしたの?」


色々な考えが頭を巡る中、ピンときた

いつも飄々としている悟がこんなに動揺するなんて姉のこと以外にあろうか


「もしかして、お姉ちゃんに何かあったの?」


悟くんの身体がピクリと揺れ、自分の中の疑問が確信になる

怪我…?とも考えたが昨日の今日で直ぐには任務に出ないだろう
であれば昨日の傷の影響が?
まだ高専にいるのだろうか?

矢継ぎ早に疑問が浮かんだ



「早く行かないと、悟」



言うと悟はゆっくりと私の肩口から顔を上げた
…その顔には確かな怒りの感情が表れていた

私は驚きの目を見開く

予想に反した反応にどう言葉発したら良いのか解らなかった



「行って欲しいの…?瑞季の所に」

「……?」


…どういうことだろう?

言葉に真意が分からず首を傾げる


「今日は止めないわけ」


疑問であるのに疑問ではない強い口調で尋ねられるがやはり分からない
これは私が悟を引き留めるかどうかを確認しているのだろうか
私は正解が解らないまま口を開いた


「大丈夫だよ、早かったからまだ食事の準備もできてないの。帰れそうになかったら連絡してね」

「昨日は引き留めたのに」

「……うん、ごめんね」


昨日引き留めたことを責めてるんだろうか

…邪魔をしたことは確かなので素直に謝罪を述べる


しかし、悟の眉間に寄せられた皺が深くなったことで悟の望む答えではなかったことを知る



「俺が瑞季の所に行ってもいいの?」

「…駄目、なの?」



離婚届を提出した今、私と悟は何の関係もない
悟の行動に口を出す権利はどこにもないのだ

例え悟が姉のことを好きであったとしても、彼が姉の幸せを壊してまでどうこうなろうとしないのも知っている故に尚の事


「ごめん、悟の怒ってる理由が解らない…でも決めるのは悟の自由だから私に意見を聞く必要はないよ」


言いながらグッと悟の胸板を押すと今度はすんなりと離れることが出来た

…暫く放っておくべきかな


本日は来客があったこともあり、まだ中途半端な荷造りを再開すべく自室に向かった


自室の取っ手を引きながらチラリと悟が立っていた場所に目を向けるが既に姿はない

行ったのかな、と無感情にもう一度視線を戻すと目の前に悟が立っていて小さな驚きの声と共にビクリと身体が揺れた

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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます!!是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます!!続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます! (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります!パスワードを教えて頂きたいです! (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました! パスワードを教えていただけないでしょうか? (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かのん | 作成日時:2021年2月26日 0時

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