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食事はどうするか炎柱様を探し歩くと案の定ものの数分でその姿を捉える
何やら立ち止まってじっと見つめる視線の先には食事処があり、やっぱりお腹空いてるんだ、と笑みが溢れた
駆け寄ろうと脚を踏み出すと突然予想だにしない方向から手首を捕まれガクンと体勢が崩れる
驚き振り返ると同年代位であろうか、線の細い男性が私の手首を掴んでおり、見上げたことで視線が絡み合う
街中では多くなっているが、私にとってはまだ見慣れない洋装に身を包んでおり失礼とは分かっていても物珍しさで不躾な視線を送ってしまった
知り合いだったか思案するが、やはり見覚えがない顔
鬼の気配もない、只の人間だ
「え、と…何か?」
戸惑いがちに尋ねると男性は一瞬言い淀んだ後、意を決した様に口を開いた
「あの!すみません…っとても綺麗な方だな、
と…」
「はぁ…、ありがとうございます?」
突然手を掴まれ、突然何故か褒められ
どう返して良いのか分からず首をかしげる
綺麗だ、と先程炎柱様に言われた時は身体中がむず痒くて恥ずかしくて嬉しかったのに、違う男性に言われても全く心が動かないから不思議だ
「突然引き止めてしまってすみません…、でもどうしてもお話ししてみたくて…」
「え、と…」
「もし良かったらこれから一緒に食事でもどうでしょうか…?」
「え?!」
こ、こ、これはまさか!!
巷で流行りの“なんぱ”と云うものでは?!
男性の顔はどこか緊張した面持ちで、軽い気持ちではなく真剣に声を掛けてくれた様子が窺える
断りのために開こうとした口を思わず閉ざしてしまった
何となく、炎柱様に恋慕する自分が重なってしまったからだ
しかし、だからといって舌先三寸の返事をするつもりは毛頭ない
再度断りのため口を開こうとすると、さっと男性の表情が変わり青ざめた
ん?まだ何も言ってないけど
「すまないが自分の妻だ!!遠慮願おう!!!」
「!」
いった!
耳痛ぁ!!
大丈夫?!鼓膜破けてない?
あ、大丈夫だ聞こえる
いつの間にか真後ろに移動していた炎柱様が、平常時の四倍も五倍もある発声量で男性のに向かって言い放つ
両耳を押さえ振り返ったまま何するの、と言いた気にジト目で炎柱様を見上げるがやや不穏な雰囲気を纏っていたためバッと前へ向き直り見なかったフリをした
そんな雰囲気を直に浴びた男性は既に走り去っており、見えるのは逃げる背中のみ
えー…
逃げるのズルくない?
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chiaki0708(プロフ) - 私も煉獄さんと結婚したい!!!そしてこのお話は2回目でもとってもやっぱり面白い!!なんなら新たな発見できて面白すぎる!何度読んでも素晴らしい作品!!!数ある煉獄さんの夢小説で1番好きです!!! (2021年12月5日 14時) (レス) @page50 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 愛弓さん» したい! (2021年11月6日 12時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
愛弓 - 杏寿朗さんと結婚したい (2021年11月6日 9時) (レス) @page2 id: cf70200c76 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - カレンさん» 初めまして!読んで下さってありがとうございます(*´∀`)♪パスワード解除したので宜しければどうぞ! (2021年2月13日 8時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - えこさん» はじめまして!コメントありがとうございます(´▽`)楽しんで抱けてとても嬉しいです!!まだ中身なかったのでパスワードしてましたが2話作ったので解除しました!宜しければ読んでやって下さい(´▽`) (2021年2月13日 8時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かのん | 作成日時:2020年11月25日 23時