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会えない。
今の自分の心境はその一言に尽きる
件の任務から時間ばかりが過ぎ、俺は全く花子に会うことが出来なかった
鴉を飛ばせば捲られ
そこにいる、という情報を追い掛け到着すれば既にもぬけの殻
交友関係と行動範囲の広い彼女なので、出会った知り合いに片っ端らに所在を聞いてみるも
「さっき迄話してたんだけどなー(宇髄)にやにや」
「先程まで鍛練場にいましたが…いませんか?(胡蝶)」
「(さっきまで一緒に)昼餉を食べていた(冨岡)」
「ああ?さっきまでそこで知らねェガキと遊んでたぜェ(不死川)」
「あれえ?!さっきまで一緒にお団子食べてたのに〜っ(甘露寺)」
「知らん。まあ、先程迄はそこで猫と戯れていたがな(伊黒)」
「さあ…覚えてない(時透)」
「先程迄はそこで魚を釣っていた…南無(悲鳴嶼)」
先程迄!!
よもや、その単語をもう何度聞いただろうか!
そして花子…
君は一体何をしているんだ
本当に自由だな!
こうなってしまえば嫌でも気付く
俺は避けられている
ザン…っ!!
「ぎゃ!」
会いたくても会えないもどかしさに自然と普段よりも刀を持つ手に力が入り、目の前の鬼が口を開く間もなく滅殺する
塵となる鬼を尻目に思わず溜め息が溢れる
なんせ花子は今まで望まずとも現れ、一方的に俺に纏わり付き去っていくを繰り返していたため自分から意識して会うことがなかった
自分は彼女のことを何も知らないのだな、と自覚する
人伝てに生い立ちを聞いたりはしたが、それは自分で彼女から直接聞いたわけではない
自分から気になって聞いたことは何一つないのだ
好きな場所
好きなこと
休日に何をしているのか
何一つ
下手に意固地にならず、初めから彼女と向き合っていれば今頃築けていたはずの関係を、全くどころかむしろ後退させてしまっている
「…」
以前宇髄と話しをし自分思いを自覚した際には、恋仲がいるという嘘をどのように取り消そうかと必死に考えていた
しかしこうも明から様に避けられると、取り敢えず捕まえることに重きを置くしかない
いかんせん話しが進まん
逃げ惑う花子が脳裏をチラリと過り、俺は不適な笑みを浮かべた
覚悟しておけ!!
「ふふ…あははははは!!」
後ろにいる影が薄くなってしまっている数名の隊士が、高らかな笑い声を上げる俺に背筋を凍らせていることは知る由もない
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chiaki0708(プロフ) - 私も煉獄さんと結婚したい!!!そしてこのお話は2回目でもとってもやっぱり面白い!!なんなら新たな発見できて面白すぎる!何度読んでも素晴らしい作品!!!数ある煉獄さんの夢小説で1番好きです!!! (2021年12月5日 14時) (レス) @page50 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 愛弓さん» したい! (2021年11月6日 12時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
愛弓 - 杏寿朗さんと結婚したい (2021年11月6日 9時) (レス) @page2 id: cf70200c76 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - カレンさん» 初めまして!読んで下さってありがとうございます(*´∀`)♪パスワード解除したので宜しければどうぞ! (2021年2月13日 8時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - えこさん» はじめまして!コメントありがとうございます(´▽`)楽しんで抱けてとても嬉しいです!!まだ中身なかったのでパスワードしてましたが2話作ったので解除しました!宜しければ読んでやって下さい(´▽`) (2021年2月13日 8時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かのん | 作成日時:2020年11月25日 23時