煉獄さんと結婚したい！

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「どうやら火急の任務が入り夜が明けぬ内に、早々と出て行ったことを家の者に言伝てられた。




ーーーーーどうだろうか」




「いや、知らねーよ」



額に青筋を立てた宇髄がきっぱりと言いきる
どうやら花子の件の翌日、非番の早朝に訪ね一方的に意見を求めたことに怒っているらしい

しかしこちらも一大事

以前、花子の想いを断ち切るよう助言してきた宇髄であれば彼女のことをよく知っているだろう


今の俺に
遠慮の文字はない



「そう言わず頼む！どうやって彼女との関係を修復するべきか行き詰まっている！！」

「…はー、」


宇髄は大きな溜め息をつき、嫁が入れた茶をひと飲みした
その視線は、この縁側から見える庭に向いたまま離れない


「言われた通り放っとくのが優しさじゃねえの？」

「む？それは駄目だ！」

「何でだよ」

「俺は彼女の助けになりたいと思っている！！」

「そりゃあ無理な話だろ」

「何故だっ！！！」


一際大きな声になってしまったからか、宇髄は「朝からうるせ…」と片耳を押さえながら恨めしそうに俺を見る


「お前なあ…あいつの性格考えてみろよ、横恋慕するような奴か？」

「……？」

「……お前まさか忘れてないよな？振ってるからね、お前。相手がいるからって」

「！！！！」

「…まじか」


横恋慕とは何の事か分からず首を傾げると、やや口元を引き吊らせた宇髄に指摘される


「振られた相手…ましてや自分以外の恋仲がいる相手にどう寄り掛かれんだよ。そんな玉かよ」


そうだ
自分は何と愚かなのだろう

彼女の力になりたい一心で一番肝心な所が抜けていた

純粋に誰かの幸せを願える彼女は絶対それを壊すような行動はしない


そんな俺の考えを見通しているかのように宇髄はまた一つ大きな溜め息を溢した


「だから放っておいてやれ。じゃなきゃ心の整理もできねえだろうが」

「…」

「諦めは悪くねえだろうからな」


いつかの胡蝶と同様のことを言う宇髄に、自分の胸の内がもやりとする

宇髄の方が自分よりもずっと花子を理解しているという事実に

彼女が俺の事を諦める
それはどういう事かと思考する



俺に向けられるはにかんだ笑顔

照れた顔

好きだと紡ぐ唇


それが全てなくなる？



ーーそれは…



「ーーー…いや、だな」

「あ？」

「彼女が俺に想いを寄せなくなることは嫌だ」


俺の言葉に宇髄は一瞬目を見開き、そして鋭くさせた

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