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まずい
目の前の炎柱様に向ける私の心情はその一言に尽きる
最悪のタイミングに現れたもんだなぁ、とぎゅっと目を閉じた
村中の男性たちが集まり今にも森へ押し入りそうな雰囲気の中、行方不明の子供の骸を抱えて現れた自分
母親らしき人物が駆け寄ってきて、子供を抱き締め悲痛な叫びを上げその場に蹲った
周りを囲んでいた男性たちは化け物の仲間だ、と見慣れぬ格好をした私に罵倒を始め、仕舞いには石を投げ付け出した
先程事情を聞いた際に警戒されなかったのは、ただ混乱していたからだろう
しまったなぁ、と考えていると自分目掛けて飛んできた石
これ以上そういった素振りを見せると事態が悪化する可能性もあったため、避けることをせずあえて受けた
思ったより大きさと勢いがあった石は私の頭に直撃し、生暖かいものがこめかみを伝うのを感じる
流血にやや怯んだ様子の村人たちを好機とし、その場を去ろうと周囲を視線で一巡した当にその時、その大きな相貌を更に見開きこちらを見据えている炎柱様の姿
瞳にはいつもの暖かな色はなく、怒りに燃え盛っているのが遠目からでも分かった
「彼女を傷付けたのは誰だ」
放たれたその言葉には柱足るに相応しい威厳と怒気が込められており、周囲の空気を震わせた
怯える者が殆んどを占めるが、その中でも危機感が欠如した者はいるもので
一人の村人が自分の時と同様に炎柱様に石を投げつける
炎柱様がそれを交わせない訳がなく、バシッと掴まれた石はそのまま力を込められ粉砕した
「ひぃぃっ」
何人かが恐怖に引きつった声を溢す
その中でも一際恐怖に襲われている人物
それは私です
怖いわぁ!!!
「ぇ、ぇええぇ、炎柱様?!」
一歩ずつこちらに足を進める炎柱様
怒ってる怒ってる!!
近付けば近付く程に青筋の立った顔がより清明になる
私に石を投げつけた数人が顔を人一倍真っ青にしていることから、炎柱様もそれに気付き真っ先に問い質そうと視線を向けている
村人の襟元を掴む寸前で、その間に身体を入り込ませ力の込められた腕を両手で握り抑える姿勢を取った
炎柱様のギロリとした視線が私に向く
その瞳には殺意に限り無く近い敵意があった
両手に握った炎柱様の腕を更に強く握り締める
「いけません」
嗜めるように声を発した
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chiaki0708(プロフ) - 私も煉獄さんと結婚したい!!!そしてこのお話は2回目でもとってもやっぱり面白い!!なんなら新たな発見できて面白すぎる!何度読んでも素晴らしい作品!!!数ある煉獄さんの夢小説で1番好きです!!! (2021年12月5日 14時) (レス) @page50 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 愛弓さん» したい! (2021年11月6日 12時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
愛弓 - 杏寿朗さんと結婚したい (2021年11月6日 9時) (レス) @page2 id: cf70200c76 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - カレンさん» 初めまして!読んで下さってありがとうございます(*´∀`)♪パスワード解除したので宜しければどうぞ! (2021年2月13日 8時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - えこさん» はじめまして!コメントありがとうございます(´▽`)楽しんで抱けてとても嬉しいです!!まだ中身なかったのでパスワードしてましたが2話作ったので解除しました!宜しければ読んでやって下さい(´▽`) (2021年2月13日 8時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かのん | 作成日時:2020年11月25日 23時