推しは推しと云う概念だからこそ推しと呼ぶのだ【妖怪ウォッチシャドウサイド,ツイステ】

EPISODE・1 - 31『友として』 ページ39

〜さくら元町 タプタプ池〜


『はぁッ…はぁッ……！』

──気が付くと、私は走っていた。

みんなから、逃げるように。


……ここまで来れば。
なんて考えながら、後ろに振り向く。

…うん。誰の姿も見えない。


『…はぁ……はぁ……。』

……授業で付けたはずの体力が、何故か消耗していた。
酷く疲れて、何度も深呼吸を繰り返している。

『はぁ……はは…。』


私、なんで逃げてるんだろう。

何から逃げてるんだろう。


…可笑しいな。

今日と云う日を、あんなに楽しみにしてたのに…。



──〈ポタポタッ…〉


“イデア・シュラウド寮長”と気が合わないからって、転寮をすぐ考えて…。



──〈ポタッ、ポタッ…〉


“兄”と“弟”の扱いが、全然違くて。
同じ遺伝子のはずなのに、オルトくんはイデア・シュラウド寮長のことが大好きなのに。



──〈ポタッ…〉



──…こんなの、跡継ぎとして相応しくないな。






『─…私は、モンドマルシェ家のお荷物。』







、







、





朱雀「──そう易々と、『お荷物』などと言うな。」


…。



『…ぇ。』


後ろから、声が聞こえた。

なんで…さっき、確認したときいなかった…。


私は驚いて、後ろを向く。

…と。




…剣武魔神姿の朱雀さんが、少し離れたところでこちらを見ていた。

…なんで、わざわざ、人間に化けた姿から剣武魔神の姿に……。


『な、んで……ここが…。』

朱雀「はぁ…そなたの後を付いてきたからに決まっているだろう。」

え…？


『…何時、から…？』

朱雀「初めから、だ。」


『…どうして…。』



朱雀「『どうして』も何も…。」

そう言いながら、朱雀さんは歩いてくる。


…と、その大きな両手で私の顔を上げ、目を合わせる。



朱雀「“友”だからだ。
心配して当然だろう？」

『ひゅッ…。』

ァ"ッ……。

や、さしい笑顔こんな間近で…クリティカルヒットですちょっと離れてもらえますか死にます無理ですあ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁぁぁッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!



朱雀「そなたは『お荷物』ではない。
大丈夫だ。
…例えそなたの家系が『お荷物』と言おうと、皆は違うだろう？
…ユウに、グリムに、オルト。…そして、イデア。」

ッ…。……イデア…。

EPISODE・1 - 32『イグニハイド』→←EPISODE・1 - 30『辞めよう』

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