お兄ちゃんと妹 2 【白布賢二郎】

お兄ちゃんと誘い ページ47

　
　
　
　
　

｢どうだった！！？マネージャー、やる気になってくれた！？｣




｢え、いや、やりませんけど｣




｢なんで！！？｣




｢だから逆になんで！？｣






コートのモップ掛けをしていたら




ジャージを羽織った五色君が駆け寄ってきた




目をキラキラさせながらマネの勧誘をしてくる姿は




やっぱりしつこさ満載で




上手な断り方を考えるのも疲れてきた




ため息を吐きつつだるそうに返事をする




面倒くさそうな雰囲気を出せば諦めてくれると思ったのだ




効果薄そうだけど






｢私には白鳥沢の練習をサポートできるほどの力はないんだってば｣




｢なんで！？先輩たちみんな記録分かりやすくて助かったって言ってたよ！？｣




｢記録だけでしょ？あんなの慣れれば誰でも出来るし｣




｢そんな事ないって！！お願いだよ〜！！｣




｢無理だってば…｣






埒が明かないなと心が折れそうになっていたら




どこからか視線を感じた




冷たくて睨まれているような感覚だ




ちらっと後ろを覗けば視界に入るのは




まるで虫でも見ているかのようにこちらを睨む




佐倉さんの姿




マネージャーが増えることに対して反対的で




私のことも毛嫌いしている様子だ




隠すことなく全身に現れているのは素直でいいと思う




ただ態度に出しすぎるとのちのち自分が困るとも思う




五色くんの躱し方を考えていたら佐倉さんの顔が




驚く程に蕩けた




その視線の先にいるのは






｢けぇんじろ〜、今日は調子良かったね？ミス全然なかったじゃん！｣




｢試合でも発揮出来るように励めよ｣




｢はい、分かってます｣




｢やっぱり可愛くねぇなお前！｣




｢はぁ…、バレーに可愛げって、必要ですか？｣




｢ブッハハハハww｣










　







お兄ちゃんの姿があった












　











　





＿＿＿＿＿＿モヤ
　
　
　
　
　
　
　
　
　

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