お兄ちゃんと妹 2 【白布賢二郎】

お兄ちゃんと監督さん ページ40

　
　
　
　
　
｢えと…白布Aです。そこの白布の妹です。一応、基本的なルールは分かります。よろしく、お願いします…｣






パチパチとまばらに聞こえる小さめの拍手は




多分だけど歓迎されていないから小さいのではなく




白布賢二郎の妹というワードに




戸惑っているからなのだと察する




中学の時もそうだった




2年と3年の先輩からとにかく質問攻め




しかも、家での様子とか彼女いるのとか写真はないのとか




明らかにバレーと関係ないことばかり聞かれた




今回はその中にも月バリによく顔の載る人ばかりだ




勘ばかりでドシャット決めてくるブロッカー




トス＆サーブという２つの強みを持つピンサー




そして言わずもがな




圧倒的高さと力で相手ブロックをねじ伏せるスパイカー




逆によくここまで強い人集まったなってくらい




癖の強いひとが多いチーム




五色くんのせいで制服のまま体育館に連れてこられて




威圧感ありまくる監督さんに






｢……賢二郎の妹か。まぁ挨拶しろ｣






って言われて仕方なく始めた自己紹介




どうやってセットしてるのか分からない髪型をした




ゲスブロッカーさんがニヤニヤとこちらを見てくるのが




最高に嫌だ




監督さんが牛島さんに仕事を教えろと告げたあと




全員を見渡して不思議そうに呟いた






｢……おい、“マネージャー”どこだ？｣






いややっぱマネージャーもういるんじゃん




なら私いらないでしょ




そう思ったのは秘密
　
　
　
　
　

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