お兄ちゃんと妹 2 【白布賢二郎】

お兄ちゃんとお兄ちゃんじゃないヒト ページ19

　
　
　
　
「いやー、それにしても君かわいいねぇ。知ってる？入学式の入場の時から君、結構な人に目ぇつけられちゃったんだよ？」




「へぇ、この学校の先輩方はずいぶん見る目がないんですね」




「いやいや逆でしょ、見る目ありまくり。名前なんていうの？名前も可愛いんでしょ？」




「期待に応えられる名前じゃないので失礼します」




「応えられるかは俺が判断するから、教えてよー」




「耳の調子が悪くてよく聞こえないですね」




「ハハッ、おもしれー！w」






しつこい




本当にしつっこい




これはナンパに入るのだろうか




いや、でも学校内だし…




でも連絡先聞いてくるし…




今まで友達と出かけた時に




これと似たことを言われたことはある




けど、その時は1人じゃなかったし




相手も金輪際会うことがないってわかってたから




辛口で対応できた




けどこの人は明らかに上級生




少なくとも1年間はこの校舎のどこかで出会う可能性がある




そんな人を無碍に扱えば最悪付き纏われかねない




それだけは絶対にごめんだった




どうにか穏便に済ませられないかと頭を回転させるけど




ジリジリと距離を詰めてくるこの人に




焦ってしまってうまくいかない




インスタくらいならいいだろうかと




譲歩しようとした時、後ろにぐいっと引かれた






「嫌がっているだろう」








＿＿＿賢二郎じゃない
　
　
　
　
　
　

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