【猫の恩返し】にゃ、ニャンとぉぉ！？【バロン】 (ページ21)

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第20話ページ21

貴『そういえば、猫王の家来から「A様を王子様の妃に迎えたい」って言われたんですけど...』

ﾑﾀ『なっちまえばいいじゃねぇか、そんなもん！』

ムタがあまりにも無責任なこと言うので少しムッとしてしまった。

貴『そんな無責任な事言わないでくださいよ！』

ﾑﾀ『案外楽しいかもしれないだろ？』

さすがにトトも適当なことを言うムタに「身も蓋もない」と反論したがムタは「なんだって経験が大切なんだ」と言い返す。
確かに何事も経験するのがいいとは言うが、そのひとつの経験で人生を狂わせたくはない。

ﾊﾞﾛﾝ『なるほど。実は私も猫の国へは1度行ってみたかった。これはいい機会かもしれん。』

ﾑﾀ『さすが男爵。オレは遠慮するがな。』

ﾊﾞﾛﾝ『お前も行くんだよ。』

行ってみたらいいと言ってきた本人が行こうとしないのでバロンがそう言い放つと「あそこは苦手なんだ」とムタが答えた。
聞いただけの話だととてもいい場所だが、一体何が苦手なのかわからない。

ﾄﾄ『そういえばこの子も連れていくのか？』

ﾊﾞﾛﾝ『それは賢明ではない。かと言ってこのままここに置いていくのもな...』

事務所内をクルクルして悩んでいたが、ふと何かいいことを思いついたかと言うようにムタの方を向いた。ムタを見る目はまるで「どうせ行きたくないならお前がAの子守りをすればいいじゃないか」とでも言うような目をしていた。

それに気がついたのかムタは

ﾑﾀ『よせよせ、小娘のおもりはもっと苦手だぜ。』

とその後もごちゃごちゃと言い争っていた。

そんな様子を見てAは一言言った。

貴『あの、やっぱり帰ります。』