カノキドランチボックス【カノキド学パロ】 (ページ3)

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４月１カノside ページ3

町中が桜色に染まる４月のある日。

僕は今まで毎日着ていた学ランの代わりに、真新しいワイシャツに袖を通す。

それは、この春から僕達３人が通う高校の制服である。

まだピカピカのそれは少しぶかぶかで、それが｢高校生になったんだ｣という実感を生んだ。

シャツの第一ボタンを閉め、それからまだ慣れない手つきでネクタイを締めていく。

きっちりと結んだそれを適当に緩め、最後に第一ボタンを開けて、身支度完了。

僕がリビングに出ていくと、キドとセトは先に昼御飯のトーストを頬張っていた。

｢あら修哉、遅かったわね。｣

アヤカさんに声をかけられて、僕は｢ネクタイがなかなか決まらなくて…。｣と照れ笑いを返しながら、自分の席についた。

｢おう、カノ。先に食ってるぞ。｣

キドがマグカップに手を伸ばしながら、話しかけてきた。

｢うん。…キド、ブレザーもいいね、似合ってるよ。…特にそのスカート丈とか…。｣

僕がそう言うと、キドは顔を真っ赤にして、僕の脇腹にパンチを入れてきた。

｢う、うるさい!!仕方ないだろ、これ以上長く出来ないんだから!!｣

そう言って、中学の時より少し短くなったスカートの裾を握り締めた。

｢あの…目の前でいちゃつくのはやめて欲しいんスけど…。｣

セトがトーストを頬張りながら迷惑そうにこちらを睨んできたので、そのくらいにして、ご飯を食べることにした。

*****

｢じゃ、行こうか。｣

全員の準備が整ったところで、家を出る。

玄関で、この日のために新調したスニーカーを履いて、紐をしっかり結ぶ。

次に、これも新調した鞄を持って、立ち上がる。

｢｢｢行ってきます。｣｣｣

最後に三人でそう言うと、アヤカさんは｢気を付けて行っておいで。｣と送り出してくれた。

今日はこれから、入学式だ。

一体、これからどんなことがあるんだろう。

僕は少しワクワクして、その場で少し足踏みした。