カノキドランチボックス【カノキド学パロ】 (ページ17)

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７月３ページ17

それから数日後にテストがあり、さらにその後、約一週間後に結果が返ってきた。

教室で配られた成績表をその場では見ず、理科準備室まで持っていく。

(今回はどうかな…?)

前回は勉強を全くしていなかったので散々な結果で、母さんにこっぴどく怒られた。

それに、今回はキドとの賭けもある。

期待と不安が入り交じった気持ちで、理科準備室のドアを開ける。

｢あ、カノくん！キドちゃんもう来てるよ！｣

貴音さんがニヤニヤと出迎えてくれた。

｢おう、カノ！早く結果見せろ!!｣

シンタローくんや遥さんまでもが目を輝かせて、｢面白いもの見つけた！｣という顔をしている。

｢もう、皆面白がらないでよ！｣

少し頬を膨らませてみせ、奥の方に座っているキドの方に歩み寄った。

｢じゃあ、やるか。｣

キドの不敵な笑顔に、僕も｢やりますか。｣とニヤリと笑った。

****

｢せーの！｣

掛け声に合わせて、二人で同時に表紙を開く。

そして、総合得点と順位の欄を見た。

(あれ…思ってたよりいいじゃん！)

シンタローくんに教えてもらったためか、英語が思っていたより足を引っ張っておらず、順位が大幅に上がっていた。

続いて、キドの方を見る。

キドも教えてもらった数学がかなり伸びていて、なかなかの好成績だった。

さて、順位は…?

僅かに、僕の方が上。

｢よっしゃ！｣

思わず、口許が緩んだ。
｢お前の勝ちだな。なんでも命令してくれていいぞ？｣

キドは半ば苦笑するように微笑んだ。

｢えーっと…何がいいかな…。｣

僕は少し考えてから、｢今はいいや、今度にする。｣と答えた。

本当は、命令してみたいことはたくさんあった。

その中でも、ずっと頼んでみたかったことがひとつ。

でも、今はそんなことを頼めない。

キドを驚かせてしまうだろうし、何より自分が傷付くのが怖いから。

｢やっぱり情けないなあ、僕…。｣

自虐を込めた独り言を、誰にも気付かれないようにぼそりと呟く。

それが聞こえていたのか、キドが首を傾げた。

｢カノ？なんか言ったか？｣

そんな彼女に、僕は｢なんでもないよ～｣といつもの笑顔を作ってみせた。