【銀魂3z】勘弁してくれ沖田君

心痛むタイプの優しさ ページ16

「何見てんでィ」


いつの間にか総悟の顔が横から覗いていた。


「わっ、びっくりした」


どうやら、ゲームをわざわざ一旦止めて声をかけてきたらしい。
いや、集中してたんと違うんかい。さっきまで私に目もくれなかったくせに。


「あぁ、旅行のときのかィ。また懐かしいものを」

「本棚にあったから。懐かしいよね」

「本棚に?へぇ、そんなんあったのかィ」


……どうやら、入っているのを忘れていたらしい。
普段見て思い出したりしているのではと思って可愛いなぁと微笑んだ私を返して欲しい。


「どこでィ、行ったの」

「温泉旅館!!古いとこ!!」

「なんでちょっとキレてんでィ」

「別に!!」


言ったって君は馬鹿にするだけだよ!!


「そんなとこ行ったような気もしないような」

「全然覚えてないならそう言えば良いじゃない」

「ちげェよ、覚えてらァ。ただちょっと思い出せないだけで」

「それを忘れてるって言うんだよ」


何変なところで意地はってるの。


「ところで、謎解きで分かんねぇところがあるんで、教えてくれやせんか」

「ん?どれどれ」


見ると、ゲームはもう佳境に入る段階まできていた。謎解きも難しくなってきている。
うろ覚えの記憶だったが、なんとか解けくことが出来た。

総悟は、再び画面に集中してしまった。
時計を見ると、時刻は２時半を過ぎていた。


……そういえば。


「総悟、お風呂入ったの」

「アンタが寝ている間に、シャワーしやした」

「……まじか」

「勝手に使って良いですぜィ」

「はーい……」


今まで何も言及されなかった優しさが、逆に心痛むよ、総悟君。

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