【銀魂3z】勘弁してくれ沖田君

ありきたりな理由 ページ2

私、八坂Aと沖田総悟はマンションの部屋が隣で、親同士も仲が良く、物心つく前から一緒にいた。
小学生のときなんかは毎週のようにどちらかの家にお泊まりしていたくらいだ。

親達からは、2人は結婚するかもしれないねとまで言われていた。


………まぁ、中学時代に総悟君は普通に他に彼女とか作ってたんですけどね、何人か。




で、そんな沖田総悟君が



「引っ越すなんてどういうことよ!!」

「そのまんまの意味でさァ」

「何で!!なんでよ!!どのへん引っ越すのよ!!」

「まあここからそこそこ離れた所でさァ」

「ハァ!?私達高３だよ!?今高３の夏だよ!?
そんな時期に何言ってんの!?学校どうすんのさ!!」

「家庭の事情なんでィ、仕方ありやせん」


なんだよそれ!!


家庭の事情とか、そんな他人に言うみたいな言い方しないでよ!!
幼馴染みなのに!!

幼稚園から高校まで、ずっと一緒だったのに。
そんな急にどっか行っちゃうなんて。




「……で、いつ行っちゃうの」

「夏休み明けにはもう済んでるはずでィ」

「すぐじゃん!!」


明日から夏休みだよ!!
もう1ヶ月とちょっとしかないじゃん!!


「夏休みの補習とかどうすんの!?受験生でしょ、私達!」


「まぁ、補習くらいなら忙しくなるまでは行きやす。
つーか、俺もお前もそんなに焦るほど成績悪くねぇだろィ」


「そ、そっか」



いや確かに私達成績はまあまあ上位層だけどさぁ。

忙しくなるまでってことは、そうなったら、もう学校来ないのか。
この夏休みが最後のなのか。



総悟の隣にいられる、最後なのか。



「まぁ永遠に会えなくなるわけじゃねぇし、そんな深刻にとらえることねぇだろィ」


「まぁ、そりゃそうだけど…」



確かに私達はもう高校生で。
上手く行けば来年からは大学生だ。
離れていてもその気になれば会いに行ける。

でも、そういう問題じゃないでしょ。
毎日会えるのと、そうでないのとでは全然違うでしょ。

なのに、総悟は寂しくないの?
私はこんなに寂しいのに。


私だけ、こんな辛いなんて。

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