苦労人の恋愛 2 【赤葦京治】

苦労度63% ページ16

＜赤葦side>

夏休みに入ってすぐ、梟谷グループ＋烏野の合同合宿があり、森然高校に行った。


練習に支障をきたしてはいけないと、俺はAのことを忘れるようにしていた。



無理に忘れようとしなくても練習漬けの日々のおかげで考える余裕も頭もなかったので結果的に練習はしっかりこなした。



意外と連絡を取らなくてもやっていける、と思っていたが就寝前のスマホを見る癖は抜けず、無意識に開いていることはあった。(らしい)



ライバル同士いい刺激を受けあった合同合宿が終わった次の日、美化委員の仕事を思い出した俺は、朝練より少し早い時間に学校に行った。



赤「(あぁ、そういえば久しぶりにAに会うなぁ。)」


Aの事だから、早めに来て仕事をしていそうだと思い、小走りで学校に向かうと、じょうろをふたつ持って花壇に向かう姿を見つけた。



花壇に着いたところで、それぞれの場所で花に水をやり始める。



部活の話を聞かれたので合宿だった、と答える。Aは？と聞き返すと、しばらく返答がないので、Aの方を見ると1人で首を傾げていたので、近くに行ってもう一度、名前を呼ぶ。



『あーっ！…あー、女バレはいつも通り、かな』



少し焦ったように答えて、水やりを再開してしまった。



あぁ、そんな反応されたら、期待するだろ。




なんでそんなに、顔赤くしてるんだ。




俺はしばらくAの横顔を眺めていた。

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