今日は一際、輝く日【赤葦京治】 (ページ6)

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放課後、事前に六時半頃に合流しようと連絡は取っていたため、五分前には校門で待っていた。

しかし、約束の時間になっても現れない京治。連絡をしても既読はつかない。

結局、三十分ほど遅れて彼は大荷物を持って私の元にやってきた。

「遅れてごめん、寒いよね。」

そう言って自分のマフラーを私に巻く京治。寒いよ、寒いけどそれよりも早く遅れた理由を説明してほしかった。

まぁ、何となく察しはしていたんだけど。両手が塞がるくらいの荷物はきっと誕生日プレゼント。多分部活の人に祝ってもらったんだと思う。明日は練習試合でそれどころじゃないから前日に、って。

多分去年の三年生達も来たんじゃないかなぁ。
…うっすら木兎さんの声が聞こえてくる気がする。あの先輩うるさいから。

「すぐ連絡しようと思ってたんだけど木兎さんに携帯取られちゃって。待たせてごめん。」

下を向く私に目線を合わせるように、屈んでいる京治の足元が目に入る。

素直に大丈夫だよ、沢山の人にお祝いされてよかったね、そうやって受け入れてあげればよかった。そうすれば喧嘩になることもなかったのに。

しかし、ただでさえ誕生日当日がダメになって落ち込んでいた私の我慢は限界に突破してしまっていて、ひねくれた考えしか出来なかった。

私なんかより部活の人にお祝いされた方が嬉しいんでしょ、彼女より部活の人優先？
こんなに沢山プレゼントもらってるなら、私のちっぽけなプレゼントなんていらないじゃん。

震える声で、そんなことを言ってしまった。

プレゼントが入ったちっちゃな紙袋を持つ手に力が入る。

「A、」

そう名前を呼ばれた時、私はなんてことを言ってしまったんだ、と正気に戻った。

京治は悲しそうな顔をしていた。

でも、嘘はついていない。とんでもなくひねくれているけれどこれが本音だった。

京治に何を言われるか怖かった。

すると、後ろからバレー部の人達がゾロゾロとやってくる姿が目に入って、私はその場から逃げ出してしまった。