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俺は安堵感からか大きな溜息をつきながらその手紙の封を開ける。
自然と上がる口角を無視しながら手紙に目を通した。
〚キヨくんへ
またまた遅くなってごめんね、今そっちはどんな季節かな？
私のいるところはほんのり暖かくて過ごしやすいよ
少しづつだけど小説作り進んでます！
それと、最近ハマってることがあるの
小説に必要だと思うので、押し花を作って栞にしてるよ！よかったら1枚送るね、漫画本でもいいので使ってくれたら嬉しいな(笑)
また手紙送ります！Aより〛
読み終えたあと封筒を覗くと中には綺麗な押し花の栞が入っていた。豪華な花で、いい匂いがする気がしなくも無い。
赤は俺をイメージしてくれたんだろうか、なんて考えすぎ？
どうしてもどうしても、この栞が嬉しくて。
手紙だけで嬉しいのに栞もなんて。
涙が溢れそうになった。
Aの中にまだ俺という存在がいることがたまらなく嬉しい。
久々にAが昔買った小説でも読むか。
この栞、使いたいから。
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大学の図書館で出会った俺らは、それから何度も同じ場所で会い、原稿を読み感想を伝えた。
連絡先も交換して、カフェで原稿を読ませてもらうようになって───それから付き合うまでにそこまでの時間は要さなかった。
「今日の小説もめっちゃ面白かったよ、敵役になりがちな嫌味な上司に焦点当てるの面白いアイデアだな」
『実はこれ前にバイトしてたとこの先輩を元にしたんだけどね、本当はこんな人なんじゃないかなって想像して書いたの』
「…やっぱすげーよな、俺だったらうぜー！で終わるもん。それをこんなに面白く昇華するなんてさ」
『ふふ、実際そこでバイトしてる時は私もそうだったよ』
Aはとにかく優しかった。
人間のえぐみのある小説をいっぱい書くのに、中身は本当に優しくて周りをよく見ていた。
「そういえば恋愛小説とかはかかないの？見たことないなって思って」
『私、自分の実体験を元に小説書きたいと思ってるの。私が求めるのはリアリティのあるストーリー性…なんだ』
「こんなこと聞きたくねえけど、元カレ…とかは？」
『…いたことない、からさ、恥ずかしながら、キヨくんが初めての彼氏』
彼女は頬を赤くして小さく笑った。
「じゃあ…、俺との生活を元にした小説ができるかも…ってこと？」
『ふふ、そうだね！』
「じゃあ一生題材尽きねーな
ずっと、幸せにするから。A一生失恋物書けねえけど、平気？」
『付き合い始めた時から、そのつもり』
「ふは、マジで嬉しい！…てかさっきの俺クサすぎた？」
俺らはそう言って笑いあった。
このワンシーンが既に小説みたいで、幸せだったな。
続く (更新停止中)
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さんご(プロフ) - パイナップルさん» うれしすぎます、、！なかなか更新出来ずすみません😭 (2023年4月28日 22時) (
レス) id: b4a1483ffc (このIDを非表示/違反報告)
パイナップル - このお話好きすぎる！お話作るのうますぎて尊敬しかないです( ＾ω＾ ) (2023年4月15日 15時) (レス) id: 37ab8ed271 (このIDを非表示/違反報告)
さんご(プロフ) - ななさん» 私の小説がななさんの目に止まってよかった😭すごくうれしいです、、！今回の小説は特に情景描写を事細かに書くのを意識してます。こちらこそこれからもよろしくお願いします！ (2022年7月24日 9時) (レス) id: 435cdb899d (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 主様の小説いつも楽しく拝見しております！設定や表現などどこか切ない部分がたまりませんね……！これからも応援してます！ (2022年7月23日 16時) (レス) @page2 id: e76489caef (このIDを非表示/違反報告)
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