8.少年の安息地帯 ページ8
教室。
それは俺にとって耐え難い苦痛を与える場所だ。
学校に行くことすら億劫になりかけていた俺をまたこの場所に引き戻したのは
あの東とか言う転校生だ
唯一の理解者である東。
しかし理解者ができたからといって苦痛を与える場所だという事に変わりは無い
俺は、その苦痛から逃れられる時間が来るのを待ちわびていた。
放課後。
俺は校舎を出ると、もう見慣れてしまったあの場所へと向かっていた。
電車通学の俺が最寄り駅と反対方向に向かうのはもはや日常風景だ。
しばらく歩き、まだにぎわっていないクラブ街を突っ切り見えてくる建物。
ゲーセン。
一歩店内へ踏み出せば菓子やタバコの匂いが充満していた。
薄暗い照明も相まってか独特な雰囲気を醸し出している。
プリクラの周りにたむろする女子中学生。
パチンコの前に陣取る疲れた顔をした大人達。
それぞれの感情が混じり合い、
それぞれが無機質な機械に
それぞれの思いをぶつけている。
それを横目に見ながら
俺は何時もプレイしているマシンの前に腰を下ろした。
ボタンを押せば、日常のストレスが溢れ出してくる。
日頃のストレスを、投入するコインに乗せる。
積み重ねた負の感情を、マシンのボタンに込める。
現実と理想の狭間で揺れ動く自我を、マシンの画面に叩きつける。
不満や不平。
その他諸々の感情は全てこの密度の中に消えてしまえばいい。
善意も悪意も。
人の自意識過剰な考えなどこの騒がしさの中に溶け込んでしまえばいい。
ひたすらそうしているうちに、周りに子供の姿が見えなくなる。
気づけば年齢制限のアナウンスが流れ、外は看板の光で照らされていた。
マシンに感情をぶつけてその場に佇んでいた俺は
フラフラと無気力に店を出る。
店の前に立つ女性。
誘い文句を唱う男性。
空に星は無く、ましてや月もない。
ただ高層ビルの上にある赤い光が星の様だった。
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詠監(プロフ) - 素兎詐欺@永遠のカノキド廃人さん» 沢山のお気に入り、アンケートの回答、ありがとうございます。勉強との両立が難しくなってきたので更新は中々出来ませんが、よろしくお願いします。 (2015年4月28日 17時) (
レス) id: 848b6e3176 (このIDを非表示/違反報告)
素兎詐欺@永遠のカノキド廃人(プロフ) - 素敵なお話ですね。是非続きが読みたいです。更新、楽しみにしていますね(*^^*) (2015年4月28日 0時) (携帯から) (レス) id: 2556076766 (このIDを非表示/違反報告)
詠監(プロフ) - るるる♪さん» ありかとうございます！中々物語の進め方が上手くいかず苦戦してますが頑張りたいと思います！ (2015年3月13日 16時) (レス) id: d96647ad89 (このIDを非表示/違反報告)
るるる♪ - とても面白かったでーす！つづきがきになるっ＞＜更新待ってますっ！ (2015年3月13日 16時) (レス) id: f5e48699cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詠監 | 作成日時：2015年2月15日 14時
