君の歪んだ愛を望みます桃 (ページ18)

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母｢今日からお母さんのとこで一緒に暮らそうね｣

『お父さんとは？』

母｢……、もうこれから一緒に暮らせなくなったの｣

父｢○○、あかねの事頼んだな｣

母｢ええ…｣

前はね大きいお家に住んでた

でもこれからはちっちゃなおうち

『お母さん、お父さんに会いたい』

母｢お父さん、お仕事で忙しいから｣

お父さんと会えない日が続いた

母｢お仕事行ってくるから、これでなんか食べててね｣

そう言ってもらったのは

500円2枚

だから

1000円か

お腹も空いたし

トコトコって歩く

お父さんに会いたいな…

あれ…？

『お父さん？』

父｢あかね…｣

目の前には一回だけ会ったことのある

さくにぃとお父さんがいた

『お父さん！会いたかったんだよ！』

｢お父さん…、この子は？｣

『忘れちゃったの？前に一緒に遊んだあかね！』

｢あかね…？｣

父｢ごめんな、大介は少し忘れっぽくて｣

父｢お母さんは？｣

『お仕事いったー』

『さくにぃ！一緒に遊ぼ！』

｢…、(お父さんの方を見る)｣

父｢…、お母さんに内緒でお仕事先に行こうか｣

私はお父さんに連れられて

初めてお仕事先に来た

さくにぃはすごく優しくて

笑顔がかわいいお兄ちゃん

｢これはこうするんだよ｣

『ほぇー…、あかねバカだからわかんなかった』

｢俺もそんなに良くないよ。いつも勉強してるけど怒られてる｣

しょんぼりするさくにぃに

『よしよし、良い子良い子』

｢ふふっ、あかねは優しいね｣

頭を撫でてあげると

ふにゃっと笑ってくれた

でもその姿は

どこさ寂しいそうでもあった

『さくにぃ、どこか痛いの？』

｢なんで？どこも痛くないよ？｣

『心が苦しそう…』

｢こころが？｣

『あかねもたまにあるの、お母さん帰ってこない時とかお父さんに会いたいとに』

なんか心がズキッて痛むの

その後涙が零れる

『あかねとおんなじ…』

涙を拭いてあげると

さくにぃは私の手を取って

ほっぺにスリスリしてきた

『さくにぃ？』

｢あかねとずっと一緒にいたい｣

｢離れたくない｣