君の歪んだ愛を望みます桃 (ページ11)

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｢何作るのー？｣

『んー、さっくんの好きな物は？』

｢ゆばー｣

『作りずらっ』

｢ははは笑なんでも好きだよ。あかねの作ったものは｣

コンビニで売ってるもので

簡単なものを

カゴに色々入れてく

さっくんは雑誌を見てる

あ

その隙に…

店｢お預かりしまーす｣

ピッ

ピッ

｢ん？｣

『どうしたの？』

｢お酒間違って入ってるよ｣

『間違ってないよ』

店｢ありがとうございました｣

袋2つ分になっちゃった

なんかさっくんまた不機嫌になった

『どうしたの、そんな不機嫌で』

顔をのぞき込むと

口をへの字にしてるさっくんが

そこにはいた

｢あかねまだ高校生でしょ｣

『？うん』

｢お酒それあかねが飲むんでしょ｣

『うちだけだと年確されるから』

｢それもそんなに度数の高い｣

缶をカシュッと開け

貰ったストローをさす

｢嘘でしょ…｣

『うちがいた世界ではこれが普通』

身体を売り始めてから

お酒を飲む機会が増えた

いわゆるパパ活

年偽って色んなとこに連れてもらった

このロング缶は

兄活時代の常連から飲み方教わった

酔いが早く回って

身体が素直に気持ちよくなる

まあ、多分あの時のお兄ちゃんは

それにクスリ混ぜてただろうけど

もちろん合法ね

違法なのは匂いでわかるから

臭いのあれ

｢そんなもの飲まないで｣

『お酒嫌い？飲む？』

｢それを飲んでるあかねが嫌い｣

嫌い

初めてさっくんに言われた

出会って1週間ちょいの関係だけど

胸がチクリとした

『…嫌い？』

｢僕の好きなあかねは純白のあかね｣

｢黒いあかねなんか要らない｣

私の持ってたロング缶を弾き飛ばす

地面に落ちた缶は排水溝にアルコールが流れる

『さ…っくん』

｢他の男に身体触られるのも嫌。あかねが自分で傷付けるのも嫌。俺以外の人間に会わせるのも嫌｣

｢俺だけを見てよ…｣

ツルツルな肌に流れた涙はポロポロと滑り落ちていく

あぁ

私はこのさっくんが苦手だ

心が苦しくなる

『ごめんね…私の事嫌いにならないで』

｢本当はね2人だけの世界にいたいの。あかねを縛りたい。でも嫌われるのが怖いから｣

私はなんでこの時縛られたいって思ったの