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Aside
ほとんど眠れないまま朝になった。
トイレに行こうとして廊下に出ると、ドアの前に置かれた朝食が目に入った。
全く手をつけていなかった晩ご飯は、いつの間にか下げられていたらしい。
胸の奥に罪悪感がじんわりと広がる。
朝ごはん、少しは食べようかな…
なんて思いながら、トイレに行って、自室に帰ろうとすると、後ろから声が聞こえた。
カノ｢Aちゃん…｣
思わず振り返ってしまった。
本当は今は顔を合わせるのすら嫌なのに。
視界に映った彼は、いつものような笑顔はなく、縋るような目つきをしていた。
『っ…！』
その姿を見て、私は胸を抉り取られたような感覚を覚えた。
その感覚から逃げるように、踵を返して部屋に走って戻る。
後ろから呼び止める声が聞こえたけど、無視した。
部屋に入る時に、朝食も持って入ったけど、当然食べる気にはなれない。
でも、少しは食べないとキドさんに悪いしな…。
そう思って、お盆を机に置いて、手を合わせる。
味噌汁を口に運んでみたけど、あまり味は感じられなかった。
それでも無理して味噌汁だけ完食すると、残りはドアの前に置いておいた。
キドさん、ごめんなさい…でも食べる気にはなれないです。
歯磨きとか色々済ませた後、私はまた部屋で何もすることなく、ただベッドで横になっていた。
どれくらいか時間が空いたあと、不意にアジトのドアが開く音がした。
と同時に、大勢の人の話し声が聞こえた。
多分、他の団員が皆来たんだろう。
いつもなら皆に挨拶しに行ったけど、今はそんな気分にすらなれない。
皆の会話を軽く聞きながら部屋でボーッとしていると、いつの間にか七時になっていた。
嘘、そんなに時間経ってたんだ…。
なんて思っていると、突然携帯がブルブル震えだした。
びっくりして画面を覗くと、エネさんが待受画面に立っていた。
私と目が合うと、エネさんは心配そうに口を開いた。
エネ｢Aさん、大丈夫ですか？｣
まあ、ずっと部屋から出てこなかったらそうなるよね。
『別に大丈夫ですよ』
全然大丈夫じゃないけど、そう答える。
それを聞いてエネさんは、訝しげな表情をした。
それを無視して、『で、どうしたんですか』と聞く。
大丈夫か聞くためだけに来た訳じゃないだろうし。
するとエネさんは途端に元気になって、予想外の言葉を口にした。
エネ｢そうそう！Aさん！皆で王様ゲームしましょう！｣
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豆腐ちゃん - スマホのエネじゃなく榎本貴音として出す所に神を感じた！ (2023年3月22日 18時) (
レス) @page49 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
澪(レイ) - カノ……やっぱりいい…… (2022年9月14日 23時) (レス) @page11 id: 43a4c159cd (このIDを非表示/違反報告)
玖瑠実(プロフ) - ん さん» わあ、ありがとうございます！頑張りましょう！ (2021年12月27日 19時) (レス) id: 0b0a873f46 (このIDを非表示/違反報告)
ん - この作品すごく好きなので続き楽しみにしています！私も受験生なのでお互い頑張りましょう！ (2021年12月27日 5時) (レス) @page43 id: 4910ceac94 (このIDを非表示/違反報告)
ひがん(プロフ) - 私がおすすめするのは「ねこは」って人の腐、よきですよ(*ゝω・*)ノ (2021年4月2日 20時) (レス) id: 1d1bd5d946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玖瑠実 | 作者ホームページ：https://twitter.com/reiku_0903?s=09
作成日時：2020年9月6日 22時
