• ページ10
飲み会は楽しくて、あっという間に時間は過ぎていった｡
時計を見るといい時間で、そろそろ帰らないとと思っていると、みんなもお開きにする様子｡
ちょうどよかった｡スマホを見ると、建英くんから通知が何件か来ていた｡どんだけ寂しがり屋なの…笑
お店を出た所で帰ろうとすると、あまり話した事のなかった先輩にいきなり､
「この後おれんち来て飲み直さない？」
と誘われた｡今日はもう帰りますと断ろうとしたけど、その前に肩を組まれて、行こうぜ〜と誘われる｡
結構飲んで酔っ払ってるみたいで､隣にいた時から結構絡まれた｡元々外国人って日本人より距離感近いけど飲んでるから余計､近いと言うか…
『誘ってくれてありがとうございます｡でも､今日はもう帰ろうかなと思ってて…』
多分良い人なんだろうけど､あんまり話した事ないし､2人っきりでは無理｡
「何だよ〜ちょっとぐらいいいだろ？俺と2人は嫌なのかよ〜」
図星を突かれて一瞬焦ったけど､平然を装って
『そ、そう言うわけじゃないですけど』
と答える｡
｢なら行こうぜ｣と､さっきより距離が近くなる｡ちょっと離れようとしても力が強くて上手く行かない｡
どうしよう……このままじゃ、本当に行くことになっちゃう｡
その時､誰かに後ろから引っ張られてそのままよろけたところを受け止められた｡
後ろを振り向くと建英くんだった｡
『建英くん､何でここに…』
「Aさんはちょっと黙ってて」
建英くんは怒ってるようで､私は大人しく頷いた｡建英くんは私を後ろに隠すようにして､驚いた様子の先輩の方を向く｡
「人の彼女に何してんですか｡嫌がってるのわかるでしょ？今後Aさんに何かしたら絶対許さないっすよ」
と言って､キッと睨む｡先輩の方は
「あーごめんごめん､彼氏いるなんて知らなかったし､嫌がらせるつもりじゃなかったんだよ」
と言って､ごめんね〜と手をヒラヒラと振って帰っていった｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 190人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Uren | 作成日時：2023年2月21日 17時
