____…第8話…____ ページ8
「………そう、ですか。」
慌てているつわはすさんに、「ちょっと町へ買い物に行って来ます。」とだけ言い、国王の隣を通りすぎた。
フジさんとキヨを仲直りさせたかっただけなのに、
まさか、いきなり自分のダメ出しをされるとは思っていなかった。
“なんでも頼るの、君のよくない癖だよ”
…そんなこと、思われていたのか。
冷たく放たれた言葉と、突き刺さる笑顔。
ちょっと、悲しいな。
好きな人に、冷たく言われて、ここまで辛いとは思っていなかった。
…でも、あんな笑顔で、冷たい言い方をしなくてもいいじゃないか。
思い出して、涙が溢れて来た。
もう、訳が分からなくなって、ため息を吐いた。
なんで、こんな事になったのだろう。
自分の部屋に戻り、扉に寄りかかった。
「…私が、国王に頼りすぎて…ストレスだったのかな…」
そのまま床に体育座りし、顔を埋めた。
…ついこの前まで、皆で笑っていたんだけどな。
ただでさえ、フジさんとキヨの事を考えただけでも泣きそうになるくらい心配なのに、
国王にあんなこと言われたら、立ち直れる自信が無い。
涙が止まらなくて、真っ暗な部屋で丸まっていた。
しばらくして、扉の向こうから足音が聞こえた。
足音は、そのまま通り過ぎて行き、聞こえなくなった。
メイドさんかな?と、思い、なんとなく、静かに扉を開けると、
つわはすさんだった。
どこ行くんだろう?と見ていると、そのまま角を曲がって見えなくなった。
……あれ?あっちは国王の部屋だ。お菓子出しかな?でも、つわはすさんは手ぶらだった。
国王からの呼び出し?でも、国王はさっき廊下にいたから、ありえない。
ちょっとした好奇心で、彼の後を追った。
石の階段を登り、国王の部屋の、扉の前で止まった。
つわはすさん、ここに入って行ったな。国王もいない、無人の部屋で、何をしているんだろう?
と不思議に思っていると。
「ねぇ、最悪。パソコンにパスワードかかってる。しかも、ロックにセキュリティに……何これ…」
彼の、聞いたことの無い、低くてダルそうな声が聞こえた。
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あみ - 本編最高すぎてこちらも読ませていただきましたが、、、いや本当に神です以上！！(?)本当に好みというかなんというか。ヒ.ジ.キ.の小説で一番好きかもしれません。こ.ーす.け.をのけ者扱いにしているような小説が多いイメージがあったので。この小説が本当大好きです！ (2021年7月25日 14時) (
レス) id: 2c5fd51ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - すごく、すごく良かったですっっっっっ...！(大号泣) (2019年11月22日 7時) (レス) id: 7c0d6b05b3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで@utaitelove(プロフ) - もう最高です…！！感動したと思ったら次はキュンキュンしてほんと私の心臓どうしてくれるんですか！影葉さん最高です( ；∀；)他の作品も全部読ませて頂きましたがほんとに天才ですね！？これからも頑張ってください (2019年1月1日 21時) (レス) id: a0615ac09b (このIDを非表示/違反報告)
アンジ* - 今になってもずっと読んでます！狂った国の王子様、こーすけが出てきたシーンで大号泣してしまいました。番外編、ぜひ読みたいです！影葉さん、感動をありがとうございました！ (2018年8月20日 20時) (レス) id: a0d4f82c90 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - ヒラ可愛い！死にそう！ (2018年2月3日 5時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影葉
| 作成日時：2015年12月5日 14時
