____…第33話…____ ページ33
国王は、“こーすけ”という単語に弱い。レトルトさんは、それを分かって言ったのかな。
「こらー。レトさーん。あんまりヒラくんをいじめないのー。」
「あれ?早かったなぁ。PｰP。つわはす。」
…いくらなんでも速すぎるでしょうよ。蟹獲りの名人かよ。あの二人は。
料理をテーブルの上に置き、眼鏡さんは、レトルトさんの前に立った。
「ねぇ、レトさん。僕達、そんなに役立たずだった?」
「は?」と首を傾げるレトルトさん。
レトルトさんより背の高いPｰPさんは、上から、悲しそうに笑った。
「……僕達、一生懸命レトさんに着いてきたんだよ。」
「お、おん。知ってるよ。いつもありがとうな。」
「でもさ…仕事中、フジくんの書類を見た時のレトさん、僕達はもういらないって言ったよね。」
“PｰP!!ちょ、見てみ!!この黒髪の男!!”
“えー?何々。……狂気王国執事の、フジ?この人がどうしたの?”
“…よし決めた!!コイツ、この城の執事にさせる!!”
“え……国王、それ本気で言ってるの?”
“PｰPは、狂気王国の城を下見に行ってきて!つわはすは、そうやなぁ…新人執事ってことでスパイに行けぃ!!”
“PｰPとつわはすは、もう仕事しなくてええよ。フジって奴が来たら、全部そいつに任せるから!!”
「僕達、そんなに仕事できてなかった?なんで、全部フジくんに任せるなんて言うの?」
つわはすさんも、後ろで悲しそうに立っている。
なるほど……天才で なんでも出来るフジさんを拐って、ここの執事にさせるつもりだったんだ。
…PｰPさんが言っていること、私も仕える身だから、すごくよく分かる。
“なんでも頼るの、君のよくない癖だよ”
ただのアドバイスだったのかもしれない。だけど、傷付いた。
一生懸命 仕えて来たのに、急にそんな事を言われると、傷付くよなぁ。
と、共感していると、ズビッと鼻をすする音が聞こえた。
………え?
「…は!?なんで泣いてんの!?レトさん!?ちょ、つわはす!!ティッシュ!!」
驚きつつも、素早くティッシュを渡すつわはすさん。
いきなり泣いた…!?たった10秒前までは笑っていたのに。
「ア、アホなんとちゃうの……?お前ら……!!」
ガーン!!と効果音が聞こえた。
アホと言われ、相当ショックを受けたらしい、PｰPさんとつわはすさん。
でも、わんわんとレトルトさんは泣き出した。
「俺が、いつ お前らを『いらない』なんて言ったー!!」
上を向いて、大声で叫んだ。
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あみ - 本編最高すぎてこちらも読ませていただきましたが、、、いや本当に神です以上！！(?)本当に好みというかなんというか。ヒ.ジ.キ.の小説で一番好きかもしれません。こ.ーす.け.をのけ者扱いにしているような小説が多いイメージがあったので。この小説が本当大好きです！ (2021年7月25日 14時) (
レス) id: 2c5fd51ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - すごく、すごく良かったですっっっっっ...！(大号泣) (2019年11月22日 7時) (レス) id: 7c0d6b05b3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで@utaitelove(プロフ) - もう最高です…！！感動したと思ったら次はキュンキュンしてほんと私の心臓どうしてくれるんですか！影葉さん最高です( ；∀；)他の作品も全部読ませて頂きましたがほんとに天才ですね！？これからも頑張ってください (2019年1月1日 21時) (レス) id: a0615ac09b (このIDを非表示/違反報告)
アンジ* - 今になってもずっと読んでます！狂った国の王子様、こーすけが出てきたシーンで大号泣してしまいました。番外編、ぜひ読みたいです！影葉さん、感動をありがとうございました！ (2018年8月20日 20時) (レス) id: a0d4f82c90 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - ヒラ可愛い！死にそう！ (2018年2月3日 5時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影葉
| 作成日時：2015年12月5日 14時
