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____…第25話…____ ページ25

彼のネクタイを引っ張り、床に叩き付けた。
そして、フジくんがナイフを投げれないように、手に手錠をかけた。


「……PーPさん。床ドンして手錠をかけるなんて、ヤンデレなんですか?」

「いやー?僕は手錠より、首輪の方が好きだけどねー」



これでもう、逃げられないよ。

そう微笑むと、ビクッとフジくんは震えた。ちょっと下を向いていて、微妙に表情が見えない。


さて、どうしようか。悩んだ末、フジくんが右手に持っているナイフを借りる事にした。
彼の頬に、ピタッとナイフを付ける。

ゆっくり、鮮やかな赤い血が流れ落ちる。………へえ。


「案外、抵抗しないんだね。フジくん。このままだと、僕に殺されちゃうよ?」


グッと手に力を入れた。
まあ、ここまでされたら、打つ手は無いよね。素直に諦めてくれて良かったよ。




その時。
ずっと下を向いていたフジくんが、ゆっくり顔を上げた。


どうしてだろう。すごく、鳥肌が立ったんだけど。

……だって、






「…や、めて下さ……それ以上されると、俺……感じちゃいます………」





顔を真っ赤にして、何かを我慢するようにビクビク震えていたから。


………え?

ちょっと待って。

男に、床に叩きつけられて手錠かけられて、ナイフで頬を切りつけられて、


……なんで喜んでるの?


「さっきから……ん……PーPさんに縄で縛られたり、手錠かけられたり、蹴られたり…
しかもナイフで切りつけてくれるなんて……」



ゾワゾワッと、感じたことの無い寒気がした。


「ね、ねえフジくん。きみ、もしかして……………」



僕の持っているナイフを、愛しそうに見つめたフジくんは、弱々しく口を開いた。







「……もっとお願いします…………!」




全身に、すごい勢いで鳥肌が立った。

気持ちが悪くて、乗っかっていたフジくんからどいた。



最悪………女の子なら大歓迎だけど………



コイツ、Mかよ………!

しかも、男に向かってそんな顔する辺り、まさか、男好きとか?



「ふぁれ?PーPさ……どうしてそっち行っちゃうんですか……?さっきみたいに もっとお願いしま…」


気持ちが悪すぎて、思わずフジくんを蹴り飛ばした。
なんなの……コイツ………

それでも、嬉しそうに頬を緩め、立ち上がる彼。



その笑顔を見て、思った。




「………逃げよう」


こんな奴、勝てる訳がない。気持ち悪くて吐き気がする。

なんで、キヨくんじゃなくて、コイツ選んじゃったんだろう……

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あみ - 本編最高すぎてこちらも読ませていただきましたが、、、いや本当に神です以上!!(?)本当に好みというかなんというか。ヒ.ジ.キ.の小説で一番好きかもしれません。こ.ーす.け.をのけ者扱いにしているような小説が多いイメージがあったので。この小説が本当大好きです! (2021年7月25日 14時) (レス) id: 2c5fd51ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - すごく、すごく良かったですっっっっっ...!(大号泣) (2019年11月22日 7時) (レス) id: 7c0d6b05b3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで@utaitelove(プロフ) - もう最高です…!!感動したと思ったら次はキュンキュンしてほんと私の心臓どうしてくれるんですか!影葉さん最高です( ;∀;)他の作品も全部読ませて頂きましたがほんとに天才ですね!?これからも頑張ってください (2019年1月1日 21時) (レス) id: a0615ac09b (このIDを非表示/違反報告)
アンジ* - 今になってもずっと読んでます!狂った国の王子様、こーすけが出てきたシーンで大号泣してしまいました。番外編、ぜひ読みたいです!影葉さん、感動をありがとうございました! (2018年8月20日 20時) (レス) id: a0d4f82c90 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - ヒラ可愛い!死にそう! (2018年2月3日 5時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:影葉 | 作成日時:2015年12月5日 14時

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