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____…第15話…____ ページ15

階段を登って登って、ずっと登って……すごい高さの建物だ。


「つわはすさん。ここ、何処なんですか?」

「俺の家。」


!?

アゴが外れそうなぐらい、口を開いた。ちょ待、おまっ…どんだけ金持ちだよ…!?


廊下も部屋も、すっごく広いし、高さも相当な建物なのだろう。



しばらく歩いていると、前方に人影が見えた。

そのまま近づいて行くと、横顔が確認できた。眼鏡で半ズボンの……誰?



「PーP…。フジさんの頬の傷、やりすぎだ。
どうせお前のことだから、イライラしてて蹴り飛ばしたんだろ。」



話によると、この目の前の、窓の外をジッと見つめている人が、フジさんを?

なんというか、温厚で優しそうな人に見えるけれど。



「……国王なら、海に行ったよ。『蟹を獲りに行くぜー!』ってさ。」



一度もこちらを見ずに、窓の外を見て笑った。

ポケットに手を突っ込み、彼は、廊下の奥へと消えて行った。


「え、レトさん、海行ったのか…」


ん?国王…?


ふと、ジィッと自分の周りを凝視した。


真っ白な石の床と壁。天井には透明で大きなシャンデリア。

狂気王国にいた時とは違う執事服を着た、つわはすさん。



「あの、つわはすさん。もしかしてここって、お城ですか?」



恐る恐る聞くと、ため息をついてこちらを振り向いた。



「…今頃?そうだよ。ここは俺達の城。」


「え…あなた、さっき『俺の家』って言わなかった…?」


「ここに住んで寝泊まりしてるんだから、俺の家でしょ。」


…い、家?


私達の他にも、お城があったなんて……と思っていたら、つわはすさんに腕を引かれた。



そして、階段を降りていく。さっきは登ったのに、今はどんどん降りている。



そして何分か経って、降りる階段が無くなった。多分、一番下の階。地下かな。

どこかの部屋に連れて来られた。



手早く、体を縄で縛られ、カチャンと手錠をかけられた。


…え!?驚いて、「どういうこと」と叫ぼうとしたが、それはできなかった。



つわはすさんが、無表情で、私の言葉を遮ったから



「手錠の鍵は、俺が持っているから。助けが来ても、手錠が解けることはないね。」



そう言って、立ち上がって、部屋を出ていった。

確かに、どんな刃物でも鈍器でも、壊れなさそうな手錠だ。真っ暗な部屋。独り。


今までずっと一人暮らしだったけれど

…国王達と一緒にいる時間が長すぎて、一人の空間が、変な感じ。


怖い



ヒラさん…キヨ…助けて

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ラッキーアイテム

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あみ - 本編最高すぎてこちらも読ませていただきましたが、、、いや本当に神です以上!!(?)本当に好みというかなんというか。ヒ.ジ.キ.の小説で一番好きかもしれません。こ.ーす.け.をのけ者扱いにしているような小説が多いイメージがあったので。この小説が本当大好きです! (2021年7月25日 14時) (レス) id: 2c5fd51ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - すごく、すごく良かったですっっっっっ...!(大号泣) (2019年11月22日 7時) (レス) id: 7c0d6b05b3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで@utaitelove(プロフ) - もう最高です…!!感動したと思ったら次はキュンキュンしてほんと私の心臓どうしてくれるんですか!影葉さん最高です( ;∀;)他の作品も全部読ませて頂きましたがほんとに天才ですね!?これからも頑張ってください (2019年1月1日 21時) (レス) id: a0615ac09b (このIDを非表示/違反報告)
アンジ* - 今になってもずっと読んでます!狂った国の王子様、こーすけが出てきたシーンで大号泣してしまいました。番外編、ぜひ読みたいです!影葉さん、感動をありがとうございました! (2018年8月20日 20時) (レス) id: a0d4f82c90 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - ヒラ可愛い!死にそう! (2018年2月3日 5時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:影葉 | 作成日時:2015年12月5日 14時

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