____…第2話…____ ページ2
「キヨ、今日だけは、外に遊びに行くな。」
「はぁ?なんでだよ。フジ。」
「忘れたの?今日は、新しくここで働く、メイドさんと執事が来る日だよ?」
フジさんが言うと、顔を見合わせて、コテンと首を傾げる、キヨと国王。
…国王と大臣がこんな調子で、大丈夫なのか。この国。
「もう…うちの国王と大臣は…。せめて、一日のスケジュールくらいは覚えておきなさい。」
フジさんに怒られて、シュンと落ち込む国王と、適当に二回返事をするキヨ。
「秘書の緑川さんが、一番しっかりしてるよ。」
ため息をつくフジさん。
私は、しっかりしているというか、バカ真面目なだけで、仕事も遅いし、役に立てていない。
「もう、お前が国王になれよ。A。ヒラはダメだ。あ、女だから、女王か?」
「そ、そんな……」
キヨが、ニヤニヤ笑って、私の隣に並ぶ。…国王が、涙目で、廊下の隅っこで体育座りした。
すると、フジさんは、執事用の手袋をはめて、笑った。
「いいの?キヨ。緑川さんが女王ってことは、ヒラと緑川さんが結婚するってことだよ?」
その瞬間、心臓が大きく跳ね上がった。キヨは、「え!?」と大声を出す。
こ、“国王と結婚”…?
冗談、冗談だ。フジさんは冗談で言ったんだ。
頭では分かっているのに、体は動揺している。降りていた階段から、足を滑らせた。
見えたのは、何か言い合いをしていた、キヨとフジさんの、目を見開いて固まった表情だった。
うおおおお
馬鹿だ私はぁぁぁぁ
階段から落っこちるのなんて、幼稚園以来だ。なんか懐かしいなぁ。ハッハッハ。
グルグル反転する視界。
かっ、壁にぶつかる。大怪我を覚悟して目をつむった時。
痛く、なかった。そして、なぜか暖かい。
訳が分からず、何秒か固まっていると、頭の上から困ったような声がした。
「え、えーと…大丈夫ですか?」
ゆっくり上を向くと、苦笑いの男の人がいた。
緑色の髪に、ちょっとダルそうな目、新品っぽい綺麗な執事服。
この人に、受け止めてもらったんだ。だんだんと、顔が熱くなっていった。
は、恥ずかしい。転がっていた所を受け止めてもらうなんて。しかも抱き締められている。
「ごっ、ごめんなさい!!え、えーと………」
即座に立ち上がり、必死に頭を下げた。
すると、座り込んでいた彼は立ち上がり、ズボンを叩いた。
「つわはすと申します。お怪我はありませんか?」
ラッキーアイテム
大きなカマ
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あみ - 本編最高すぎてこちらも読ませていただきましたが、、、いや本当に神です以上！！(?)本当に好みというかなんというか。ヒ.ジ.キ.の小説で一番好きかもしれません。こ.ーす.け.をのけ者扱いにしているような小説が多いイメージがあったので。この小説が本当大好きです！ (2021年7月25日 14時) (
レス) id: 2c5fd51ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - すごく、すごく良かったですっっっっっ...！(大号泣) (2019年11月22日 7時) (レス) id: 7c0d6b05b3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで@utaitelove(プロフ) - もう最高です…！！感動したと思ったら次はキュンキュンしてほんと私の心臓どうしてくれるんですか！影葉さん最高です( ；∀；)他の作品も全部読ませて頂きましたがほんとに天才ですね！？これからも頑張ってください (2019年1月1日 21時) (レス) id: a0615ac09b (このIDを非表示/違反報告)
アンジ* - 今になってもずっと読んでます！狂った国の王子様、こーすけが出てきたシーンで大号泣してしまいました。番外編、ぜひ読みたいです！影葉さん、感動をありがとうございました！ (2018年8月20日 20時) (レス) id: a0d4f82c90 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - ヒラ可愛い！死にそう！ (2018年2月3日 5時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影葉
| 作成日時：2015年12月5日 14時
