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____…第4話…____ ページ4

あれから、一週間。


ガシャンッ!!とお皿の割れた音がした。

おお、またか。



「こらリン!!初心者は、量の多いお皿は一気に持っちゃダメって、何回言ったら分かるの!?」


「す、すみませんミク様!!」



新人のメイド、リンさんを怒鳴るミク。

リンさんは、テキパキ働くミクの真似をして、いつも失敗している。ドジで、可愛いなぁ。




…それに比べて………


「お、おい…落ち込むなよ…フジ……」

「だって、だって……俺より、つわはすさんの方が、仕事速いんだもん……!!」



新人のつわはすさんは、フジさんが注意する必要も、教える必要も全くなく、

どんどん仕事をこなして行く。



いや、仕事の速さは、フジさんの方が圧倒的に速いけれど。



「つわはすくんて、もしかして、初心者じゃなくて、執事経験者?」



キヨが、パソコんをイジっていたつわはすさんに声をかけた。

彼は、こちらを振り向いて、微笑んだ。



「いえ、初心者です。フジさんの教え方が、とても分かりやすくて…本当に、感謝しています。」



フジさんは、「えっ!」と照れた。




つわはすさんは、微笑んでいるけれど、どこか気だるそうな目をしている。


本人はそんなつもりはなさそうだし、元々そういう顔なんだろうな。




「てか、キヨは何してんの。仕事しなさいよ。」




フジさんが つわはすさんの言葉に感動し、涙を流している隙をついて、

逃げ出そうとしていたキヨの腕を、ガシッと掴んだ。



「あっ、クソッ。なんだよA。せっかくフジが泣いてたから、遊びに抜け出せると思ったのに…」


「ぐすっ…キヨ。逃がさないよ…」



その後、逃げ出そうとしたキヨと、フジさんが喧嘩し始めたのは、言うまでもない。




私はというと、白いお皿に、チョコ、クッキーを入れて、部屋を出た。

冷たい、異様な空気の廊下に着く。石段を登り、部屋をノックする。



「どーぞ。」と、聞こえた。声だけで、笑っているのだと分かる。



部屋の中に入り、パソコンに文字を打っている机の上に、お菓子を置いた。




「あれ?国王、作業が全然進んでないじゃないですか。」



二時間前と、全く減っていない書類を見て、ため息が漏れた。

国王は、お菓子をモグモグ食べて、笑った。



「僕がお仕事遅いの、知ってるでしょ?」



また、パソコンをイジり出した。



「パソコンで何してるんですか?ゲーム?」


「あはは。そう。ゲームゲーム。」



そう言って、笑った。

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あみ - 本編最高すぎてこちらも読ませていただきましたが、、、いや本当に神です以上!!(?)本当に好みというかなんというか。ヒ.ジ.キ.の小説で一番好きかもしれません。こ.ーす.け.をのけ者扱いにしているような小説が多いイメージがあったので。この小説が本当大好きです! (2021年7月25日 14時) (レス) id: 2c5fd51ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - すごく、すごく良かったですっっっっっ...!(大号泣) (2019年11月22日 7時) (レス) id: 7c0d6b05b3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで@utaitelove(プロフ) - もう最高です…!!感動したと思ったら次はキュンキュンしてほんと私の心臓どうしてくれるんですか!影葉さん最高です( ;∀;)他の作品も全部読ませて頂きましたがほんとに天才ですね!?これからも頑張ってください (2019年1月1日 21時) (レス) id: a0615ac09b (このIDを非表示/違反報告)
アンジ* - 今になってもずっと読んでます!狂った国の王子様、こーすけが出てきたシーンで大号泣してしまいました。番外編、ぜひ読みたいです!影葉さん、感動をありがとうございました! (2018年8月20日 20時) (レス) id: a0d4f82c90 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - ヒラ可愛い!死にそう! (2018年2月3日 5時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:影葉 | 作成日時:2015年12月5日 14時

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