ポートマフィアの双子

終戦 ページ37

敦「太宰さん……。」


太「鏡花ちゃんは自分に勝ち、街を救った。

彼女は望みを叶えたんだ。」







先ほど目の前で起きた出来事にショックで取り乱す敦に、

太宰は冷静に話す。






すると、コンテナの間から一人の男が姿を現した。






武装探偵社社長、福沢諭吉。


彼の異能は「人上人不造」。

自身の部下、探偵社員のみに発動する。

効果は異能の出力を調節し、制御を可能にする制御型の異能力。







太宰はそのことを敦に分かりやすく説明する。

鏡花は裏の試験に合格した。衝突直前に。







ジャラ………。







背後で鎖の音がして、勢いよく振り返る。







鏡「夜叉の刀で鎖を切って脱出した。」


敦「ッ！！」







目尻に涙を浮かべながら鏡花を抱きしめる。






結局、今回の戦いは殆どが太宰の描いた通りの結末となった。

彼がいつから何処まで予測していたのか、知りえるのは本人のみ。



新双黒が誕生して、敦は大きく成長し、芥川は太宰に認められ、鏡花は試験に合格した。






「「鏡花。」」


鏡「！ミナ、カナ……。」


「「おめでとう。」」


鏡「っ、ありがとう！」






久しぶりに見た鏡花の顔は少しやつれている様に感じたけど、

今までに見たことが無い、とても嬉しそうな顔で笑っていた。

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