ポートマフィアの双子

中島 敦 ページ21

「判った風なことを言わないで！！！」


突然、隣の方から少女の怒鳴り声が響いてきた


耳をすまして聞いてみると、どうやらお兄さんとモンゴメリが言い争っているようだ




ミナ(でも、お兄さんなら彼女を説得できるだろうな

同じ環境にいた、お兄さんなら……)



ミナ「⁉」



すると、突然目の前の景色が変わった


私はアンの部屋にいた


敦「ッ！ミナちゃん」


もちろんお兄さん達も



モ「もう手遅れよ。

作戦書には詛いを止める手段は無いって……」



敦「まだ手はある！太宰さんの異能を使えば詛いは消滅する！」


ドッ‼


急に現れたアンにお兄さんは壁に打ち付けられた



モ「無理よ！ここは空の上、何処に居るかも分からない人にどうやって渡すつもり⁉」



そんな事を言われても、お兄さんの決意は変わらない

何の迷いも無い目で彼女を見る



モ「……そう、やるのね。


白鯨の空砲に撃たれて死ぬか

地面に叩きつけられて死ぬか

地上の狂った人達に殺されるか


……どれかしかないと知っててもやるのね」



敦「昔読んだ古い本にあった、


「昔、私は、自分のした事に就て後悔したことはなかった。
しなかった事に就てのみ、いつも後悔を感じていた。」


僕は後悔したくない」



ミナ「……」




懐かしい言葉だ

その言葉を言っていた人はもう、いないけど

もう、会えないけど



その言葉は今も忘れてはいない

脱出→←お祝いイラスト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す