【OP×ヒロアカ】さようなら、愛した人【クロスオーバー】 (ページ1)

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出会いページ1

ㅤ国中を巻き込んだあの大戦から半年程が経ち、街の復興も軌道に乗っている。失ったものはあまりに多く、決して元通りにはならない。民衆がヒーローに求める在り方も変わっていく。それでも、誰もが誰かをおもいやるような、優しい気配を感じられる変化も確かに存在した。ヒーローが暇を持て余す日はそう遠くないのではないかと、そう願いたくなるような。

ㅤだが、この国の中が変わろうと、外の世界は変わらない。

ㅤヒーローの主な仕事は、敵(ヴィラン)の撃退・災害救助・海賊の捕縛の3つに分けられる。
ㅤ今やこの国ではほとんどの人間が持っている｢個性｣も、ひとたび海の外に出てしまえば｢異能｣である。嘗ては海賊による国民の誘拐事件が多発し、戦闘に向いた強個性の者は兵士として戦場に、異形の者は見世物小屋へと売り飛ばされていた。｢個性｣を持った国民が狙われる可能性を減らそうと、次第に周辺の国との交流が減りいつしか実質的な鎖国状態となっていた。しかし、食料をはじめとした資源は自給可能であっても、世界政府加盟国として納めなければならない天上金は外から稼がねばならない。そのため、ヒーローによる海賊の捕縛は、単に国民を危険から守るだけでなく、海賊を海軍に引き渡し賞金を得ることでこの国を支える重要な職務である。

ㅤその日ホークスは、海賊が入りこんでいるという情報を確かめるため九州北西の離島に降り立っていた。北の海(ノースブルー)の海賊は、海賊と言っても拠点とする島を持った犯罪組織が多い。この国が実質的な鎖国状態にあると言っても、近くの国との関わりは途絶えない。海を挟んだ隣国を拠点とする海賊組織との違法交易は耐えない悩みの種だ。

(大したことない海賊だったらいいんだけど)