言の葉(ことのは)ーⅡー (ページ50)

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ー数原sideー

Aの過去の話から、鷲尾さんへの想いへの話へと移って行く。

数原「でも、俺から見たら今の2人はかなり仲良しな感じなのに。」

「それは…伶菜がちょっとずつ歩み寄ってきてくれたから。」

数原「Aは歩み寄らなかったの？」

そう聞くと、再びAの手に力が入る。

「ー…うん。私は、伶菜に言えてないこといっぱいある。さっき伶菜に言われた。『私たち、友達だよね』って。何でも相談し合える友達だよねって。ー…私、うん。ありがとう。としか言えなくて…。」

数原「友達だからってなんでも知ってるって訳じゃないだろ。俺は、言えないこともあって当然だと思うけど。」

「そうなんだけどね。ー…伶菜、たぶん待っていたんだと思うんだ。私が自分から話すのを。」

数原「ー…それは、涼太のこと？それとも恋をしない理由？」

俺がそう言うと、図星だったのか驚いた顔をするA。

「えっー…なんで？」

この反応をみると、どうやら正解らしい。

数原「俺は涼太から聞いた。ー…涼太の話だと鷲尾さん見てたらしいよ。その現場。」

「ー…そっかー。」

やっぱ知ってたんだ…と俯くA。

数原「てかさ、グダグダ悩むなって。お前らしくねーし。お前も鷲尾さんにガツンと言えばいんだよ。友達だって。それも文章にしなきゃ伝えらんない訳？」

「んな！？そんなことない。」

ムキになるA。

数原「あははっ。笑そうやって噛み付いてこないとお前らしくないし。ー…たぶんなんだけど、鷲尾さん扉の前にいるよ？笑盗み聞きが好きだねー。笑」

さっきから扉の方からたまに聞こえる、すすり泣き。

数原(俺の出番はここまでかな。笑)

俺の手を離れて、走って扉の方へ行くA。
必死なその顔を早く鷲尾さんにみせてやりなよ。十分、友情感じる。

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