魔法使いの海の旅【ONE PIECE・ファンタビパロ】 (ページ7)

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6話　ビーストページ7

よし、と満足そうに女は俺を見ると赤く染まった布をバケツの中に放り込んだ。

『君、名前は？私はA・スキャマンダー』

その言葉に我に返されると、俺は慌てて質問に答えた。

「ぽ、ポートガス・D・エース」

『ポートガスが貴方の名前？』

「いや、苗字だ」

『へえ、君苗字を先に名乗るんだ！
　イギリスじゃ珍しいね』

「イギリス？」

なんだかさっきからこいつの口からは理解できない言葉がポンポンと出てくる。

しかも格好もここら辺じゃ珍しい。タンクトップに半ズボンの俺と違ってこいつはなんていうか...高級な感じがした。

「お前ゴア王国の人間か？貴族か金持ちだな」

『貴族？王国？
そんな大層な人間じゃないよ。
　まぁでも父親が魔法動物(ビースト)の学者で...
　母親がアメリカ合衆国魔法議会(マクーザ)だからあまり”普通”ではないのかな...』

「びーすと...？まぐざ？」

『マ・クー・ザ！学校で習わなかった？』

「俺は学校になんて....」

俺が言葉を言い終わる前に、突然カタカタと棚が揺れ、窓の外からは鷹のような甲高い鳴き声がはっきりと聞こえた。

「何だ？今の....」

『....サンダーバードだよ。この前パパが救出したんだ
　前も保護した事があったんだけど、今回のはまだ赤ちゃんで...
　おいで、見せてあげる』

Aは俺の手を引くと、出口であろう扉を勢い良く開いた。

心地の良いそよ風と眩しい光が顔に当たる。俺は思わず目を細めた。

『さぁおいで...良い子だ...』

光の奥からAの声がする。まだぼんやりとしか見えないが何かと話しているようだ。

だんだん目が慣れてくると、俺はその異様な光景に目を疑った。

扉の向こうはまるで魔法の世界そのもの。見たことのないオレンジ色の大地が広がって、左右にはカーテンのようなものに仕切られた青黒い洞窟があった。

そして何よりも印象的だったのは力強く大きな翼を広げている巨大な生物だった。