魔法使いの海の旅【ONE PIECE・ファンタビパロ】 (ページ5)

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4話　癒しの呪文ページ5

自分が攻撃された事を理解するのにしばらく時間がかかった。

腕を振ったり、蹴ったりもしていない。ただあの棒を向けられて何かを叫んだ瞬間、俺はここまで吹っ飛ばされたのだ。

俺は大人にだって勝てるのに....なんでこんな子供の女に...

『はぁ....はぁ.....子供？？』

「おめえも子供じゃねぇか！！何しやがｔ....いっつ」

グラグラと頭に振動が伝わり、激痛が走る

『ご、ごめんなさい！
いきなりだったからつい...』

相手は今度は弱々しい声でこちらの様子を伺った。目を一切合わせようはせずに一定の距離を開けているところから相当な人見知りのようだった。

『あの...頭....』

そわそわと合わない視線でそいつはゆっくり俺の頭を指差すと、俺もつられて頭を触った。手の平には赤い血がベットリとついた。

「ああ、いいよこんなのしょっちゅうだから」

『い、良いわけないでしょ！
　動かないで。あの....一つ癒しの魔法を知ってるから』

慌てて女はさっきの棒を持って俺に近づく

「な、なんだよ！俺をそれで突き刺すつもりか！？」

『エピスキー....』

女は棒を俺の額に当ててまた妙な呪文のようなものを言う。するとなんだか頭がムズムズした
まるで額の皮を摘まれるような....

『ごめんなさい、私じゃまだ応急処置が限界なの。
　”ヴァルネラ・サネントゥール”が使えたら血も元通りって聞くけど...
あれは結構難易度の高い呪文だから....』

そう言うとまたさっと離れて視線を下に向ける

何を言ってるんだこいつ？頭おかしいのか？？

と言う顔を俺は今してるだろう...

『来て、その頭の血を拭かないと』

「来るってどこに？」

『トランクの中だよ』

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エピスキー(癒えよ)・・・対象の負傷部位に杖を向けて呪文を唱え、対象に応急処置を施す。

ヴァルネラ・サネントゥール(傷よ、癒えよ)・・・傷を癒す魔法、切り傷の場合流れ出た血も元に
　戻すことができる。洋服も修復も可能