【刀剣乱舞】桜散れども【男主】 (ページ2)

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一荒廃ページ2

ガキン、派手な音と火花を散らして刀と刀がぶつかり合う。

　そのまま刃を滑らせて敵の刀を払った後、素早く懐に入り込み敵の急所を斬った。
受け身を取りながら地面に退き、体制を整えつつ砕け散る敵の大太刀を見送る。

「おつかれ～薬研、そっち片付いた？」

背後からの声に振り向けば、返り血に頬を濡らしながらも元気そうに手を振る兄弟の姿。
　自分と同様に目立った負傷はなく、一先ずの交戦を無事に終えたことを把握する。

「乱か。ああ、ここらはもうこいつで最後だぜ」

そう返して辺りを見回せば、そこらじゅうに散らばる遡行軍の残骸。
ここがもし戦場なら、刀剣男士であれば誰しもが見慣れた光景だった。

　――が、しかし。

　つい先程まで敵と交戦していたこの場は戦場ではなく、とある本丸の敷地内だ。

　いってらっしゃい、気をつけて――そんなあたたかな主の声で見送られてきた自分の本丸と同じ間取りの本丸が、目も当てられないほどに荒らされ、敵の残骸で埋まっている。

　何とも気の滅入る光景だった。

「…………酷いもんだな」

思わず溜息を吐き刀を納めながらそう呟けば、そうだねと乱も静かに同意した。

　本当に、酷いとしか言い様がなかった。