＊ ページ4
*
「なんで急に下向いて...もしかして、どっか痛めた？」
「...い、いやっ、だだだ大丈夫やから！...っから、はよ、どいてや」
明らかに、様子がおかしい。
バレー部のマネージャーは今、Aだけ。
たった一人のマネージャーに何かあったとなると、練習にも影響が出てくるのだ。
「絶対大丈夫じゃないでしょ。ほら、顔上げて、どこ痛いの」
「......ねん」
「え、なに？聞こえない...」
「みっ、耳元で喋んなや...！顔、も、身体も、近いし、恥ずいねん...！はよ、離れてやっ...」
見ると、俺の下で耳も顔も真っ赤に染めているA。
...へぇ、意外と可愛いとこあんじゃん。
普段男勝りな彼女の初々しい姿に、少しのいたずら心が芽生えた。
「ね、A。顔みせて、こっちみて。Aさーん」
「...絶対嫌や...んむっ！？」
頑なに下を向く彼女の顔を優しくつかんで、こちらを向かせる。
「おほ、林檎みたい...照れてるんですか、Aサン？」
「う、うっさいねん...！言うとくけどな、さ、さっきは、油断しとっただけやからな！はよどいてっ...！」
「...じゃあ、リベンジする？」
ぐいぐいと俺の肩を押すAの腕をとって、床に押し倒す形になる。
「なっ...なんやねん、リベンジて！」
「ちょっと違うけど、Aが言ってたシチュエーションと似てるでしょ？振りほどいてみなよ、ほら」
「...っこんなん、力入らへんし、無理やろっ...！！」
「...じゃあ、片手ならいける？」
程よく筋肉のついた、しかし細く綺麗な腕を上でまとめて片手で押さえつける。
女子にしてはなかなか強い力で押し返してはくるものの、俺が少し強く力を入れてしまえば全く歯が立たないようだった。
「くっ...！っ角名のくせに、力強いて！なんなん、もぉっ...！」
「...言ったでしょ、俺も男だって。もう少し自分が女子ってことを認識した方がいんじゃない？腕だって細いし、腰も...」
何気なくその華奢な腰に手を這わせると、Aの身体がぴくん、と控えめに跳ねた。
「ひ、ゃぁ...っ？！なんっ、どこ触っとんねん...！」
「あれ、腰弱かったっけ？Aもよく俺らの腰とか触るじゃん、ポジショニングの時とかさ」
「そ、それとこれとは別やろ、あほ！！...もぉ、はよ、離してって...心臓が、もたん...」
普段じゃ絶対みられない、少し潤んだ目をして林檎みたいに真っ赤なAの顔。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 58人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
作者(プロフ) - 花さん» ありがとうございます。忘れ雪シリーズ中心で書いていこうと思うので、更新遅くはなってしまいますが書かせていただきます！待っててくださると嬉しいです。 (2021年5月22日 13時) (
レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
花 - リクエストよろしいでしょうか?→影山君で股ドンお願いします! (2021年5月22日 11時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 花さん» コメントありがとうございます。嬉しいです(;_;)励みになります！ (2021年5月4日 10時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
花 - とっても好みでした!体調を崩さないように気をつけてくださいね! (2021年5月3日 18時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - クマさん» お気遣いいただきありがとうございます...(;_;) のろのろになりますが、見守ってくださると嬉しいです。コメントありがとうございました(;_;) (2021年4月18日 15時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：作者 | 作成日時：2021年1月15日 22時
